国会レポート

15年度予算成立 倉林議員が反対討論 軍拡と社会保障削減(本会議 反対討論)

2015年4月9日

 2015年度政府予算(一般会計総額96兆3420億円)が4月9日の参院本会議で、自民、公明などの賛成多数で可決・成立しました。日本共産党は反対しました。

 参院本会議で反対討論に立った日本共産党の倉林明子議員は、過去最高になった軍事費について「F35ステルス戦闘機、水陸両用車、オスプレイの購入など海外派兵型を推進するものであり断じて認められない」と主張。その上で、「戦争立法」の中止を求めるとともに、名護市辺野古の米軍新基地建設を強行的に進めようとしていることを「民主主義の反するものだ」と厳しく批判しました。

 社会保障予算では、年金抑制のマクロ経済スライドの発動や生活保護の削減など合計3900億円も削減されていることをあげ、「『社会保障のため』という消費税増税の説明は完全に破たんしている」と指摘しました。

 倉林議員は東日本大震災の復興に関して、住宅と生業(なりわい)・地域社会の復興に最後まで国が責任を持つように要求。福島第1原発事故の原因究明と事故収束に全力をあげ、原発再稼働の断念を求めました。

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第189回国会 本会議 第12号 2015年4月9日(木曜日)
一、平成二十七年度一般会計予算
一、平成二十七年度特別会計予算
一、平成二十七年度政府関係機関予算

〇議長(山崎正昭君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。

〇議長(山崎正昭君) 倉林明子君。

〔倉林明子君登壇、拍手〕

〇倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私は、日本共産党を代表して、二〇一五年度予算三案に反対する討論を行います。
 反対する第一の理由は、戦争できる国づくりと一体に軍事費を過去最高としていることです。ステルス戦闘機F35、水陸両用車、オスプレイの購入など、海外派兵型を強力に推進するものであり、断じて認められません。
 政府は、今国会を延長してでも安保法制、戦争立法の強行成立を狙っていますが、与党合意の切れ目のない法整備とは、米国の要求に切れ目なく応えて、いつでもどこでもどんな戦争でも、米軍の行う武力行使への支援を可能にするものであり、自衛隊員を殺し殺される戦地に送れるようにするものにほかなりません。憲法をじゅうりんする戦争立法は、立法化を中止し、集団的自衛権行使容認の閣議決定は撤回すべきです。
 沖縄辺野古への米軍新基地建設に反対する沖縄県民の民意は、昨年の知事選挙、総選挙を通じて何度も明確に示されています。ところが、政府は、沖縄県民の民意を踏みにじり、行政不服審査法を使ってまで工事を強行していることは、民主主義に反する二重三重の暴挙と言わざるを得ません。
 先日、菅官房長官と翁長沖縄県知事の会談で、翁長知事は、沖縄県民は今日まで自ら基地を提供したことはない、沖縄戦後、強制収用されたものだ、自ら奪って県民に苦しみを与えておいて、普天間基地の危険性除去のために沖縄に負担しろ、おまえたち代替案は持っているのかという話をすること自体、政治の堕落だと厳しく指摘しました。
 民主主義国家であるならば、工事は即刻中止すべきです。辺野古新基地建設の撤回と普天間基地の閉鎖、撤去を強く求めるものです。

 第二に、東日本大震災、福島第一原発事故から四年たった今でも、二十三万人に及ぶ人々が避難生活を強いられているにもかかわらず、復興事業に対する被災地負担を求めようとしていることです。住宅となりわい、地域社会の復興に最後まで責任を負うのは国の当然の責務です。
 昨年末、東電と国は一体となって原発事故営業損害賠償を打ち切る提案をし、県民の怒りを広げました。東電と国は、賠償打切り方針を撤回し、加害者責任を果たすこと、原因究明と事故収束、汚染水対策に全力を挙げるべきです。
 さらに、事故原因の究明どころか収束も見通せない下で、原発をベースロード電源と位置付け、再稼働を進めるなどもってのほかです。政府は、福島原発事故を受けて、原発から三十キロ圏内の自治体に避難計画を義務付けながら、立地自治体以外の地方自治体には再稼働を拒否する権限を与えず、被害当事者となる住民の声を無視するなど、到底許されません。川内原発、高浜原発の再稼働はきっぱり断念すべきです。
 国は、原発が震災前過去三十年間の平均稼働率で稼働することを前提として、再生可能エネルギーを排除できる制度変更を行いました。原発に固執することが、再生可能エネルギーの普及の障害となっていることは明らかです。原発ゼロの決断を直ちに行い、再生可能エネルギーの飛躍的な普及を進める立場に立つことを強く求めるものです。

 第三は、社会保障のためとして消費税大増税を強行しながら、社会保障の切捨てを進め、国民に負担増を一層押し付けるものとなっているからです。
 来年度予算案の社会保障予算の削減は、介護報酬の引下げ、年金のマクロ経済スライドの発動、生活保護の削減など、合計三千九百億円にも上っています。後期高齢者医療の保険料は、特例軽減の廃止で二倍から十倍に跳ね上がるもので、低所得者を狙い撃ちにした大負担増になっています。社会保障のためという消費税増税の説明は、完全に破綻しているではありませんか。
 アベノミクスで莫大な利益を手にした富裕層は、金融資産を一億円以上持つ世帯が百万を超え、所有する金融資産は何と二百四十一兆円にも上っています。大企業が空前の利益を上げているにもかかわらず、法人税を二年間で一・六兆円も減税する大盤振る舞いです。社会保障の財源は、能力に応じた税の負担で、一人一人の所得を増やす経済改革を行ってこそ確保すべきです。
 安倍総理は、企業が世界で一番活躍しやすい国をつくるとして、先日国会に提出した長時間労働と過労死を更に加速させる残業代ゼロ法案、生涯派遣につながる労働者派遣法案まで提出するとしています。こんな労働法制の規制緩和を許せば、日本社会全体が、労働者を使い捨て、使い潰しにする総ブラック企業化し、働く人が世界一住みにくい国となることは明らかです。こんな規制緩和は断じて行うべきではありません。
 正規雇用を原則とすること、残業は月の上限を四十五時間に制限する大臣告示を法制化することを強く求めるものです。

 最後に、政治と金の問題についてです。
 二十年前、リクルート事件、ゼネコン汚職など、自民党の金権腐敗政治に国民の厳しい批判が向けられ、企業・団体献金の禁止を廃止するからと導入されたのが、年間三百二十億円の税金を山分けする政党助成金でした。
 ところが、企業・団体献金は、政治家個人に対しては禁止されたものの、政治家が支部長を務める政党支部への献金と政治資金パーティーの形で抜け道が残され、二〇一三年の企業・団体献金の総額は八十七億六千三百万円、政治資金パーティー収入は百七十六億四千三百万円にも上り、いまだに政党助成金との二重取りが続いております。こうした状況が腐敗政治を生み出す温床となっていることは明らかです。
 政党は、何よりも国民の中で活動し、国民の支持を得てその活動資金をつくることが基本です。パーティー券購入も含めた企業・団体献金の全面禁止と政党助成金制度の廃止を一体として行い、金権腐敗政治を根絶する道に踏み出すことを心からお呼びかけいたしまして、反対討論といたします。(拍手)

〇議長(山崎正昭君) これにて討論は終局いたしました。