倉林明子

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再生エネ導入広げよ 政府の「抑え込み」批判(経済産業委員会)

(ページ下部に資料があります)

 倉林明子議員は3月26日の参院経済産業委員会で、原発再稼働を見込んで再生可能エネルギーの導入を抑え込んでいる政府の姿勢をただしました。

 昨年、九州電力など電力5社が示した再生エネ買い取りの受け入れ可能量は、福島第1原発事故前の30年平均で原発の70~85%まで稼働していることを仮定し、はじいたものです。倉林議員は、これは再生可能エネルギーを締め出したものであり、現在稼働していない原発まで動くことを前提としている指摘し、「やめさせるべきだ」と迫りました。

 高橋泰三経産省資源エネルギー庁次長は、同計算では原発の供給力として、廃炉が決定された3基(105万キロワット)や、2030年に運転が40年超となる14基(756万キロワット)までも含まれていることを明らかにしました。

 宮沢洋一経産相は、エネルギー自給率や温暖化対策などを口実に「原子力はどうしても必要」と再稼働に固執しました。倉林議員は、原発ゼロを決断し再生可能エネルギーの最大限導入をはかるべきだと主張しました。

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第189回国会 経済産業委員会 第2号 2015年3月26日(木曜日)
経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査(経済産業行政等の基本施策に関する件)
(公正取引委員会の業務に関する件)

〇委員長(吉川沙織君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のうち、経済産業行政等の基本施策に関する件及び公正取引委員会の業務に関する件を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。

〇倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
経産大臣は所信表明で、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入を強力に進めると述べておられます。最大限の努力が本当にされているのかという観点から、今日は質問をしたいと思います。
今年一月から、総合資源エネルギー調査会長期エネルギー需給見通し小委員会、先ほど来議論もありますが、ここで将来のエネルギー需給構造が検討されていると承知をしております。
そこで、日本がCOP21に向けて二酸化炭素の削減に先進国の一員としてどう責任を果たすのかという点、同時に、福島原発事故後初めて示されることになる日本のエネルギー政策、具体化したものということになるわけで、国民も国際社会も注目していることは間違いないというふうに思うんです。どこまで再生可能エネルギーの導入を拡大していくのか、これも大きな焦点になっています。
そこで、三月十日、小委員会では、経産省が具体的に再エネ導入の二〇三〇年時点どう持っていくのか数値も示されていると、細かく分類して電源ごとに示されていますけれども、トータルでどういうものだったのかというところをまずお示しいただきたいと思います。

〇国務大臣(宮沢洋一君) まず、おっしゃるように、再生可能エネルギーを最大限に導入を進めていくというのが政府の方針であります。
そして、導入水準につきましては、エネルギー基本計画におきまして、これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準、これは二〇三〇年の発電電力量の約二割、二千百四十億キロワットを更に上回る水準の導入を目指し、ベストミックスの検討に当たってはこれを踏まえるということにしております。
そして、御質問にありましたように、三月十日に開催された審議会におきまして事務局より各電源の導入動向を示しましたけれども、さらに、引き続き、この審議会におきまして更なる導入を目指して今後検討を進めていくということでありまして、先ほども答弁させていただきましたけれども、エネルギーミックスというのは二〇三〇年の、電源について言えば電源構成の見通しであり、そしてあるべき姿でありますから、そこであるべき姿ということで政策的な配慮を加えていかなければいけないと思っております。

〇倉林明子君 二酸化炭素の削減目標について言いますと、二〇〇九年の六月に麻生総理が、二〇二〇年には二〇〇五年比で一五%減という中期目標が示されているところで、これを受けて再計算された長期エネルギー需給見通しということになりますと、二〇三〇年の電源構成、このときに検討されて示されているわけですよね。その中で、新エネルギー等、地熱、水力の発電量の合計、これが全電源に占める割合はどのように見積もっていたでしょうか。

〇政府参考人(高橋泰三君) 二〇〇九年八月に取りまとめられました長期エネルギー需給見通しの再計算におきまして、二〇三〇年度の新エネルギー等、それから地熱、水力の合計の発電電力量は千八百七十一億キロワットアワーでございまして、それらの発電電力量に占める割合は約一九%となっております。

〇倉林明子君 その後、二〇一一年三月には、福島第一原発事故を経験したというのが日本であります。新たな再エネ導入の目標ラインということで、それをどれだけ上積みしていくのかということでおっしゃったわけだけれども、目標が二割、二千百四十億キロワットアワー以上ということから出発するということになると、原発事故前と本当に大きな違いとは言えないんじゃないかと思うんです、スタート地点としても。
環境省に改めて確認したいわけですが、平成二十五年度の委託調査によりますと、これ昨年も紹介させていただきましたが、最も低位、低い高いの低位ですね、低位ケースとして紹介されている再エネの発電電力量はどれだけになるか、同時に、この低位ケースというのはどういう設定で考えられたものなのか、お願いします。

〇政府参考人(田中聡志君) 御指摘の平成二十五年度の二〇五〇年再生可能エネルギー等分散型エネルギー普及可能性検証検討委託業務の報告書でございますけれども、二〇三〇年の低位ケースでの再生可能エネルギーの導入見込みとして二千百八十四億キロワットアワーと試算をしているところでございます。
それから、この低位ケースでございますけれども、基本的には東日本大震災以前に二〇二〇年の見通しとして政府が示した再生可能エネルギーの支援施策により増加が見込まれる普及量を設定いたしまして、それ以降につきましては同様のペースで導入が進むという想定で推計をしているところでございます。

〇倉林明子君 言うたら、低位というのは基本的には新たな施策や制度を組み込むことなしに推移した場合ということで、最低のレベルの拡大予想ということになるかと思うんですね、拡大導入予想ということになるかと思うんです。
そこで、環境省に更に確認をしたいんですが、既に再生可能エネルギーの導入目標を決めているEU、ドイツ、スペイン、イギリス、フランス、これらの二〇三〇年の目標をそれぞれ述べていただきたい。発電量に占める割合、どうなっているかということでお願いします。

〇政府参考人(田中聡志君) お答え申し上げます。
欧州各国ですけれども、発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合の将来目標といたしまして、ドイツにつきましては二〇三五年と二五年があるようですけれども、二五年を見ますと四〇から四五%、スペインが二〇二〇年ですが四〇%、イギリスが同じく二〇二〇年までに三一%、フランスが二〇二〇年までに二七%となっていると承知をしております。
それからEUですけれども、こちらはエネルギー消費全体に占める再生可能エネルギー割合の将来目標として、二〇三〇年までに少なくとも二七%という数字を掲げておりますが、目標そのものには発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合というのは明示をしていないというふうに承知をしております。この準備の過程で出てきている事務的なペーパーの中では、電力に占める割合として四五%くらいになるんじゃないかという数字が紹介をされているというふうに承知をしております。

〇倉林明子君 先進国標準で見てみますと、二〇三〇年に四〇%以上の電力を再生可能エネルギーで賄うという方向が見えてきているんだというふうに思います。そこで、アメリカも風力発電のみで二〇%、二〇三〇年に、二〇五〇年には三五%の導入が可能だという報道も出ております。
世界の流れということで見てみると、再エネの野心的な導入拡大を目指すということになってきているんだと思うんですね。現状の取組にとどめたままの日本の現在の目標というのは余りにも低過ぎるんだというところから私は出発する必要があるんじゃないかというふうに思います。
そこで、欧州との違い、これが顕著に出たのが再エネ接続回答保留を受けて各電力会社から再エネ接続可能量が示されたということでありまして、原発が稼働することを前提としたものになっておりまして、欧州では再エネの接続は義務で、どの電源よりも優先して接続される、これ当たり前になっているわけで、この再エネ接続可能量という考え方自身が欧州にはありません。
稼働することを見込んだ原子力発電の供給力の算定がされているわけですが、その算定根拠について、原発の供給力を決めるに当たったその算定根拠、考え方を説明していただきたいと思います。

〇政府参考人(高橋泰三君) 固定価格買取り制度の下での再エネの接続可能量の算定でございますけれども、もちろん電源の性格によってきめ細かく検討する必要がございますけれども、今回検討に当たりましては、固定価格買取り制度におきましては長期間にわたりまして電気の買取りを保証するという制度でございますので、接続可能量の検証に当たりましてはベースロード電源の長期的な稼働傾向を前提としているものと承知してございます。
こうしたことを踏まえまして、各電力会社が置いている前提を踏まえまして接続可能量を検証をしているところでございます。

〇倉林明子君 要は、原子力については福島の原発事故前、過去三十年の平均稼働率によって出力を評価したということですよね。
日本弁護士連合会は、福島第一原発事故の被害救済が収束していない下で原子力の供給力を過大に見積もっていると、電力会社の意向をそのまま受け入れるような算定方法は極めて問題だというふうに厳しく指摘をしております。
そこで確認をさせていただきますが、根拠とされた原発の中で既に廃炉を決めたもの、さらに二〇三〇年までには四十年を超えるもの、従来ではそこで運転停止ということが原則となっているわけですが、その原発の基数はどれだけになっているのか。設備容量、合計でどうなりますか。

〇政府参考人(高橋泰三君) 今回の接続可能量の算定に当たりまして、供給力として見込んだ原子力発電所のうち、既に廃炉の意思決定がされているものにつきましては三基ございまして、その供給力は百五・三万キロワットでございます。
それから、二〇三〇年の時点で運転期間が四十年を超える原子力発電所の基数につきましては十四基でございまして、接続可能量の算定に見込んだ供給力につきましては七百五十六万キロワットでございます。これは既に廃炉になったものも含んでおります。

〇倉林明子君 そこで、その検討の際、接続可能量を検討する際に電力が出してきたものをペーパーとしてまとめられたものに、私、加工して、今日資料として一枚目に提出をしております。
これを見たら、本当にほとんどが、今ある原発が全部供給力の前提になっていることが一目で分かると思うんですね。稼働率も、これ六九・八%から多いところ八四・八%。これ、震災前でも直近で見るとこんな動いていないんですね。原発事故直前のところで見たら、原発の稼働率というのは実際に二八・六%しかなかったわけですよ。全く動いていない原発の稼働率をこれだけ高く見積もるということは、到底私は国民の理解を得られないというふうに思うんです。
再エネを最大限導入するというのであれば、事業者に対して、こうしたまだ動いていない、動く見通しもない、廃炉になる分も含めて原発の再稼働を見込んだような原発枠、こんな空押さえはやめさせるべきだと思うんですよ。いかがですか。

〇国務大臣(宮沢洋一君) 固定価格買取り制度は、もう御承知のように、基本的には二十年にわたって固定した価格で電力を買い取るという制度でありまして、そうしたことを考えまして、例えば、まず原発の稼働率でいえば、長期にわたった稼働ということで三十年にわたった稼働率というものを使わせていただいております。
また一方で、再稼働をするかどうか分からない、また、四十年を超えてしまうというような御指摘について申し上げますと、例えばそれを入れないで二十年間固定価格で買い取りますよということをお約束していたとして、再稼働を原発がしたときにはその契約自体を途中で切らなきゃいけないというような事態が起こってくる。また、四十年を超えて再稼働が、再稼働というか、四十年を超える稼働が規制委員会によって認められる原発が出てまいりますと、その分も既にお約束していたやつを切らなきゃいけない。逆に言えば、そういう条件でしか契約ができないと、こういうことになってしまうものですから、制度として極めて不安定になると思っておりまして、こういう前提で計算をしております。

〇倉林明子君 でも、結局、その分は前倒しで再エネを締め出すということになるわけですよね。
現在稼働をしている原発はゼロなわけですよ。結局、じゃ、その不足分は何で補っているかといったら、火力になるわけですね。二酸化炭素が結果として削減どころか増えるということになるんじゃないかと思うんですね。
そこで、現在の地域間の連系線の容量、そして実際の使用状況は、私、十分余裕はあるし、今新たに設備投資や拡大しなくてももっと再エネの導入枠確保できるんじゃないかと思っているんです。
そこで、二枚目、見ていただきたいと思います。
これは、平成二十四年度の連系線の利用実績をそれぞれ出したものです。確かに余裕のないところもあるんですけど、利用実績で見るとまだまだ余裕があるということ、このグラフを見ていただいたら分かるかと思うんですね。
欧州でできて日本でできないという融通の話がよく出てくるんですけれども、電力会社の規模でいいますと、北電、これはデンマークに匹敵する、東電はイギリスに匹敵する、中電はポルトガルに匹敵するぐらいの規模を持っているんだということです。
そこで、連系線の容量はどうかというと、これ三枚目に、ピーク時の需要に対する連系線設備容量の比率ということで出しております。北海道はさすがにもう一三%ということなんですが、ドイツやデンマークよりも、中電、関西電力、北陸電力、大きいですね。そういう意味で、まだまだ使える連系線の枠はあるんだということをこれ示しているし、ヨーロッパにも劣らない、利用しようと思ったら使える容量なんだということだと思うんです。
再エネの接続枠を電力会社域内で決める、こういうやり方の前に、今ある地域連系線を最大限活用できる、このルールの見直しをまずやるべきじゃないかと思います。どうでしょうか。

〇国務大臣(宮沢洋一君) この三枚目の資料の意味が私にはちょっといま一つ分からないので教えていただきたいんですけれども、ピーク時の需要というのはこれキロワットアワーですよね、量ですから。連系線の設備容量というのは恐らくキロワットだろうと思っていまして、この二つの関係というのが表になっていますが、どういう意味がある表なのか、ちょっと教えていただけますか。

〇委員長(吉川沙織君) 倉林君、いいですか。

〇倉林明子君 後でよくレクチャーを受けていただければと思います。私の質問時間も限られておりますので進めさせていただきたいと思うんですね。だから、今、地域連系線は十分にまだまだ使える枠があるよということを示したわけです。
そこで、そういうことからも、要は再エネを広域で運用するほど効率的に運用できると、電力システム改革でもこのことは強調されたはずなんですね。それで、電力の広域的運営推進機関が四月から動くということになっているわけですけれども、これが発足する前に電力事業者が域内で融通することを前提にして再エネ接続可能量を出している、私、これが問題だと思っているんです。広域的な運用が始まる前に再エネを締め出すということに結果としてはなるんじゃないかということが言いたいわけです。
エネルギーミックスの検討でも、原発ゼロの選択肢、これ示されていない。原発ゼロで再エネの最大限導入を私は検討すべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

〇委員長(吉川沙織君) 高橋次長。

〇倉林明子君 いやいや、大臣です。

〇国務大臣(宮沢洋一君) まず、地域間の連系につきましては、それは大変大事なことでありまして、広域的運営推進機関が四月から発足しますので、そこでも、例えばそのきめ細かなルールで、今まで年度ごとに決めていたものを三十分置きにするとかいうことで、さらに小売事業者に加えまして発電設備設置者も地域間連系線の利用予約ができるというようなことで、地域間連系線の更なる活用ということはしっかり図っていきたいと思っております。
それから、原発ゼロにせよというお話でございましたけれども、私どもは、まさに今のエネルギー自給率、僅か六%、しかも九四%化石燃料の輸入、しかもかなりの部分が中東から来ている、中東依存度が高まっているというようなことを考えますと、日本のエネルギーセキュリティーというのはかなりリスクが大きな状況になっているとか、さらに、先ほどありましたCOP21の対応として温暖化対策もしっかりやっていくということになりますと、やはり原子力というものがどうしてもカウントしていかなければできないとか、また、大変、産業用三割、家庭用二割電力が上がっているという中で中小企業から悲鳴が上がっているということを考えますと、やはり、規制委員会において審査されて適合すると認められたものについては再稼働を進めていくということが方針でございます。

〇倉林明子君 自然再生エネルギーということで見れば、日本は資源大国だということも直視すべきだというふうに思います。原発ゼロ、ここを腹くくってこそ最大限の自然再生エネルギーの導入につながる、このことを強く申し上げまして、終わります。