国会レポート

「地方創生」参考人質疑 参考人コスト評価を懸念(行政監視委員会)

2015年3月23日

 参院行政監視委員会は3月23日の参考人質疑で、安倍声援が進める「地方創生」について、徳島県神山町長の後藤正和氏、独立行政法人中小企業基盤整備機構理事長の高田坦史氏、同志社大教授の山谷清志氏の3氏から意見を聴きました。

 参考人からは、行政をコスト(費用)のみで評価し切り捨ての対象にする風潮への危惧が述べられ、補助金削減や「平成の大合併」の弊害を指摘する声が上がりました。

 日本共産党からは倉林明子議員が質問しました。
 山谷教授は、倉林議員の質問に対し、「『平成の大合併』で地方はいいことは必ずしもなかった」と批判しました。また、2000年ごろから行政改革の名目で行われたきたPDCA(行政評価の仕組み)は「乾いたぞうきんを絞るようだった」と指摘。今もその傾向が続いており、すべてにコスト(費用)を当てはめるやり方で、コストに見合わない事業を削る仕組みにしていく風潮があると懸念を表明しました。

議事録を読む(参考人意見)
第189回国会 行政監視委員会 第1号2015年3月23日(月曜日)
行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査(地方創生に向けた国と地方の取組体制とPDCAの整備に関する件)

〇委員長(松村祥史君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
本日は、地方創生に向けた国と地方の取組体制とPDCAの整備に関する件について参考人の方々から意見を聴取した後に質疑を行います。
この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。
本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。
参考人の皆様からの忌憚のない御意見を拝聴し、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願いをいたします。
議事の進め方でございますが、後藤参考人、高田参考人、山谷参考人の順にお一人二十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
なお、参考人、委員とも御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず後藤参考人にお願いをいたします。後藤参考人。

〇参考人(後藤正和君) 良識の府でございます参議院の行政監視委員会へお呼びをいただきまして、本当にありがとうございます。
徳島県は神山町の町長の後藤と申します。よろしくお願いします。
まず、神山町がどういったところに存在するかということを資料に沿って概要を説明をさせていただきたいと思います。
まず、東京から飛行機で六十分、羽田から六十分、そして、徳島阿波おどり空港から神山町まで六十分という時間距離にございます。四国遍路十二番札所の焼山寺がございます。この焼山寺でございますけれども、十一番藤井寺から十二番焼山寺への道は、四国八十八か所の中でも最大の難所中の難所ということで、俗に遍路転がしというふうに言われております。
また、日本一のスダチの生産地でもございます。九月第一日曜日には目黒で、目黒のさんま祭りということで、長年、徳島県の神山産のスダチと岩手県宮古市のサンマのコラボレーションで、大変喜んでいただいております。
また、昭和三十年に五つの村が合併をいたしまして、その当時の人口は二万九百十六名ということでございました。ところが、平成十七年、五十年後でございますけれども、この年には七千三百九十五人、六五%の減というようなことになってございます。
そういう状態でございましたけれども、空き家のあっせんということをNPO法人に委託することによって、社会動態が平成二十三年度に初めて町制施行以来プラス十二人の増になったということで注目を浴びておるわけでございます。
続きまして、三ページ目をお願いしたいと思います。時系列で見る神山町の軌跡ということでございますけれども、昭和三十年には先ほど申し上げましたように人口も二万人を超えていたと。その昔、古く文化六年、一八〇九年のことでありますけれども、藩政時代にも一万三千五百八十三人の人口を擁していたわけでございますが、東京オリンピック、大阪万博と、バブルがはじけるまで人口はもう激減したという状況でございます。まさに、人口といいますか、労働力といいますかの供給基地的な役割を担っていたのかなという気さえいたします。
この間、過疎対策というようなことでいろいろと、町といたしましてもいろんな施策を打ってまいっておりました。しかし、なかなか、基盤整備であります道路網、神山町には国道が二線、県道八線、町道は三百五十線という非常に数多くの路線が存在する、しかも中山間地を縫って走っておるという道路でございますので、道路事情が非常に悪かったというようなこと、それから林業あるいは農業中心のいわゆる一次産業中心の町でございましたので、非常に産業構造等々も変わってまいりまして人口が激減したと。平成十一年には婦人会等々も消滅、あるいは平成十五年には青年会、青年団とも申しますけれども、これも消滅ということでございます。
いいことといいますか、ちょっと元気が出たなという事象には、平成元年に県立神山森林公園におきまして全国の植樹祭が開催されました。それから、現在の神山町が元気の一つの原点といいますか、の一つに観光協会、これはちょっと遡りますけれども、昭和六十二年に、徳島県下でも当時はちっちゃな自治体が観光協会を設立するというのは非常に珍しかったんでございますけれども、この昭和六十二年に観光協会が設立をいたしました。
なぜ観光協会設立かということでありますけれども、それを遡ること十二年、昭和五十年に学校問題、その当時、中学校七校ございましたけれども、当時の町長が神山町の中学校を一つに統合するというような運動が、政策展開ですね、が起こりました。でも、このときは神山町の人口は一万二千人を超えておったということから、なぜ統合だということの理解が得られなかったわけです。
大変な町を二分するような激論になりまして、現職が敗れたんでございますけれども、その当時の町長の人口推計というのはまさに的確でございまして、その方は、今日の神山町の人口がこのようになっていきますよというシミュレーションを持たれておりました。
その町を二分する選挙が終えてからの神山町は、まさに政争の町ということで、例えば県道あるいは町道の用地交渉をする際にでも、反対派、賛成派ということで足の引っ張り合いというような状況が長く続きまして、これでは良くないということから、町民の有志の一部から声が出まして、まず観光協会を立ち上げましょうよということになりました。神山町に存在するまず自然資源に光を当てていって、まず入り込み客を増やしていこうじゃないかという運動がなされたのが初めであったと、このように思います。
現在では神山町への入り込み客は百万人を超えるほどにやっとなってまいったわけでありますけれども、この間、いろいろ施策は打ったのでございますけれども、余り成果は見られなかったということであります。
イベントの一部は、皆様方のお手元に配付させていただいておりますが、神山町イベント情報、春バージョンと秋と二回出しておるわけでありますけれども、春に民間の町民の手によるイベントがこれほどございます。現在では、番号が振られておりますけれども、三番目の江田菜の花の里・菜の花まつり、ちょうどこの時期に差しかかっております。そして、四番目の明王寺のしだれ桜まつり、樹齢が百年を超える雌雄の二本がございますけれども、ちょうどこれが開花をしたところでございます。こういったことで、紙媒体で春と秋、二度ほど、入り込み客を増やしていこうということでイベント展開をしておりました。
ところが、平成十六年度の事業で光ファイバー網、これは行政体が実施するのは四国で初めてという事業でございましたけれども、神山のような田舎に光ファイバー網がなぜ要るのだということも町民の方からもあるいは県当局の方からもいろいろ言われましたけれども、現在になりますと、この敷設したことが非常に良かったのかなという気がいたしております。様々な神山町のやっておりましたことの情報発信力というのがもう飛躍的に伸びまして、神山町が注目をされる一つのきっかけにもなりました。ちょうどこの頃、道路網もやっと、一線でありますけれども、擦れ違いのできるような道路状況になったと。ですから、ロードである道路と光の道と、二つの道がやっと普通の状態になってきたのかなという感じがいたしております。
NPO法人グリーンバレーの発足が平成十六年。それから、もう一つのNPO法人神山さくら会、これは桜を、特に枝垂れ桜を植えて人を呼び込もうじゃないかという動きです。現在、五千三百本余り枝垂れ桜が植えられております。やがて大変なにぎわいになります。
もう一つは、これはできたばかりでございますけれども、NPO法人の里山みらいということです。これは、地域おこし協力隊という方々を、総務省の事業でありますけれども、現在五名ほど来ていただいて、神山町のスダチや梅や様々な農産品をPR、あるいは販売、あるいは加工と、こういう展開をしていただいております。
お手元にこのスダチのデザインのリーフレット、それからこの神山すだち住民課、これ、ふるさと納税の変化バージョンでありますけれども、ふるさと納税をしていただいた方に神山町の農産品を提供していきましょうということで、住民登録をしていただく、これは正式な住民登録ではございません。そういったことでいろいろ展開をしてございます。
このペースでいきますと時間内に収まりませんので、ちょっとはしょってまいりたいと思います。
光ファイバー網、四ページです。光ファイバー網の基盤整備ということにつきましては、目的はここに書いてございますように、都会との情報格差の是正、それから地デジ対応、これを両方解決すると。しかも、IP電話も無料で利用できるということでございます。特に契約の手法が、神山町の敷設しました施設を民間のケーブルテレビ会社に使用していただく、貸し出すわけですね。その使用料で維持管理費も全て賄っておるということでございまして、この利用料も二千五百円ということで、多分全国的に見てもかなり安い方なのではないのかなと、このように思っております。
次に、五ページをお開きください。移住交流支援センターの委託ということでございますけれども、これは、現在空き家率が神山町は一九%、空き家は六百戸余りに上ります。そういった中で、どうにかしてこの空き家を都会の方に活用していただこうじゃないかという動きが起こりまして、これを神山町が展開するのでなくNPO法人にお任せをしたということです。
なぜということでありますけれども、行政が実施しますと間違いなく公平性ということが問われます。そうするならば、神山町、高齢化率四七%の町でありますので、若者、これからの子育て世代が欲しいわけです。そういったことから、NPO法人に任せますと逆指名、選んでいただけるというような状況になりまして、若い御夫婦あるいはお子さんがいらっしゃる御家族というような方を逆指名するというような形で現在展開をさせていただいております。二十五年度までに六十五世帯、百十六人の方が移住されております。待機者も二百人以上に上るという状況で、なかなかお貸しいただける空き家が足りないという状況にあります。
続きまして、次のページ、六ページでありますけれども、神山町は、現在、このサテライトオフィスの事業が非常に熱心に進められております。これの元になりましたのは、第一号はSansanの株式会社、クラウド型の名刺管理の会社でございますけれども、この方が空き家あっせんの過程の中で初めてIT関連の方が来られたのが一つのヒントになりまして、ああこれだということで、仕事を持っておられると。特に地方創生の中ではまち・ひと・しごとと、こういう話になっていますけれども、田舎には仕事がございません。IT企業の方は光ファイバー網さえ敷設されておれば東京も田舎も変わらないと、条件はということから、この第一号でありますSansan株式会社が来られたことによってヒントを得たと。特にIT関連の企業さんに特化して、逆指名の形で次々と展開をしていく形を現在も取っております。現在は十二社が東京を中心とする都市部から神山町に入ってこられております。
彼らが、来られた会社の方が異口同音におっしゃいます。非常に自然環境も豊か、住民との距離も近いと。しかも、通勤に要する時間も非常に短いというようなことからリフレッシュもできると。すなわち、ワーク・ライフ・バランスも現実なものとなっておると。しかも、所を変えますと新たな発想が生まれてくるというようなことで、クリエーティブな事業をされる方々にとりまして地方というのは非常に魅力的な土地であるということを異口同音におっしゃっていただいておるところでございます。
七ページ目でございますけれども、地方創生でございますけれども、この事業については大変期待をいたしております。やっと地方にも国も目を向けていただくようになったのかなという気がいたしております。
そんな中で、神山町も地方版の総合戦略、かみやま総合戦略ということを今年十二月までに策定をいたしたいと、このように考えておるわけであります。この総合戦略を策定する際には、神山町に移住されておりますクリエーティブなIT企業関連の方々のアイデア等々もお借りしながら進めてまいりたいと、このようにも思っておるところでございます。
本日のどうも本題のようでございますけれども、PDCAサイクルということにつきましては、行政、特に小規模町村にとりましては非常に苦手な分野でありますし、また、人員を限りなく、これも総務省の指導で、人口規模に見合うような適正な職員数にしなさいということもありまして、ほとんどの担当は一名しかおりません。ですから、その一名が病気等々で倒れますとなかなかフォローが難しい状況の中で、このPDCAサイクル、評価、改善ということになりますと、困難性が非常に高いなという考えが正直なところでございます。
以上でございます。

〇委員長(松村祥史君) 後藤参考人、ありがとうございました。
次に、高田参考人、お願いをいたします。

〇参考人(高田坦史君) 参議院行政監視委員会に参考人としてお話しする機会をいただきまして、大変光栄であります。誠にありがとうございます。
早速ですが、お手元の資料に基づきまして御説明いたします。
最初に、私どもがどんなことをやっているかでありますが、二ページ目を御覧ください。
中小機構は、創業から成長、発展、さらには事業承継、セーフティーネット、再生に至るまで、中小企業・小規模事業者の皆様の各々の発展段階に応じた総合的な支援を業とする独立行政法人でございます。また、東日本大震災のような職場が消滅してしまうような災害時には、働く場の確保が大変重要な復興対策の一つになりますが、仮設の商店街あるいは仮設の工場などの整備も行っております。
私は、二〇一二年の七月から現職にありますけれども、しばらくは民間と公的機関の違いに戸惑いを感じながらやってまいりました。
三ページ目を御覧ください。
中小機構と前職場を比較しますと、このような違いがあろうかと思います。そして、ここに掲げた七項目全てが本委員会のテーマに関わるPDCA、すなわち改善の考え方が公的機関に定着していない、あるいは定着しにくい原因になっているというふうに思いました。
しかし、決して改善の考え方が必要ないわけでもありませんし、PDCAサイクルを回せないわけでもないと思いまして、二〇一三年の秋より機構の第三期中期計画の策定に着手いたしましたが、PDCAの考え方を取り入れました。社内教育も主としてOJTベースに実施しております。
一方で、二〇一四年に入りまして中小企業政策は歴史的な転換点を迎えることになります。本委員会の委員長でいらっしゃる松村先生のリードの下に、中小企業の九割弱を占める小規模事業者支援の基本法の策定作業が本格化いたしまして、六月に成立、十月に基本計画が閣議決定されました。その中で、これは多分、国のレベルでは初めてだと思いますが、PDCA手法を使って改善を積み重ね、目標を達成することが明記されました。大変すばらしいことだと私は思いました。
そして、これがまち・ひと・しごと創生総合戦略にも生かされておりまして、国もPDCAの考え方を取り入れ、改善する仕組みを確立して、検証、改善していくとしていることは、地方創生における国の覚悟がうかがえ、大いに期待しているところでございます。
次に、PDCAについてちょっと触れたいと思います。
四ページ目を御覧ください。
PDCAは、言うまでもなく、プラン・ドゥー・チェック・アクション、これの頭文字を取った改善の考え方でありますけれども、プランとは、数値化された目標の設定、それから目標を達成するための具体的な方策、これをしっかりとした仮説に基づいて企画立案することであります。ドゥーは、経営資源を配分し具体的に実行することであります。チェックは、進捗が計画どおりか確認をすること。さらに、やり方のチェックをして、必要ならばアクション段階に移りまして、仮説の修正あるいはやり方の修正をして次の期につなげるということであります。
大事なことは、欄外にございますけれども、このプロセスを繰り返し繰り返し行って、改善を積み重ねることによってスパイラルアップしていくことであります。また、PDCAのサイクルは、短期から長期、あるいは個人そして小さな組織単位から大きな組織単位まで一連のセットとして行うことが大切なポイントであります。
PDCAは、一言で言えば目標の必達に向けた改善のための考え方ということでございますが、やはり大切なことは、いかに実行していくかであります。PDCAはあくまで考え方であり、改善のツールにすぎないのであります。
されど、PDCAは簡単に回せるかというと、そうではありません。確実に成果を出して改善していくためには幾つかの条件があります。そのポイントをまとめたものが五ページでございます。四つ書いてございますけれども、上の三つはプランに関わることであります。時間も限られておりますので、特に三番を御説明したいと思います。
公的な機関は、実行行為を外部、これ多くは民間だと思いますけれども、ここに委託することが多く、そのような場合、プランの策定、つまり目標設定や仮説に基づくやり方の詳細な立案なども外部に任せることになりがちであります。その結果、どのように行われているかが分からない状態、いわゆるブラックボックス化が起こりやすくなっています。しかし、それでは、改善も含めて全て委託する、いわゆる丸投げということになり、改善の提案、議論はできません。つまり、丸投げではPDCAは回らないのであります。
それでは、このブラックボックス化を防ぐためにはどうしたらよいか。それは、自らの組織内に現場を熟知して専門性を備えた人材を擁し、委託先と同じレベルで議論ができるようにすることが必要であると。そうしないと、改善、スパイラルアップは期待できないということになってしまいます。
ここに記した条件を整えるためには、欄外にございますが、危機感の共有化が必要でありますし、リーダーの強い意思、志が必須だろうというふうに思います。
次、六ページでございますが、ここには中小企業の支援ネットワークをまとめてございます。
中小機構は、下から二つ目に書いてございますけれども、唯一の公的な実行、実施機関であるというふうなことでありますが、我々だけでは実行できないことがたくさんありまして、ブルーでスクリーントーン化したところに掲載いたしました会員組織あるいは支援機関の皆様に実行を委託して、連携して支援に当たるということになります。全国三百八十五万社の皆様が支援対象だと考えますと、支援機関との有機的な効果的な連携の実を上げることが必須となります。
次に、私ども中小機構のPDCAの例を御説明いたします。七ページを御覧ください。
ここには、弊機構の基幹事業であります小規模事業者のための共済の事例であります。
最初に、この事業の説明をいたしますと、下の囲みにございますように、小規模企業共済とは極めて商品力の強い制度であります。現在、加入者は約百二十三万人ということで、大変大勢の方に御利用いただいておりますけれども、小規模事業者の皆様は三百三十四万社いらっしゃいます。したがいまして、これ、百二十三万ということでも、三分の一強しか加入していないというふうなことにもなります。
共済制度そのものは会員相互の互助制度ですが、運営は我々公的機関が税金によりやっておるわけですから、私は、この未加入の方々が制度を知っていて加入しないならば仕方がない、しかし、もしそうでないとしたら公平ではないし問題だと考えております。実際に私がお会いした未加入の方々は、ほとんどがそんなに良い制度なら是非入りたいとおっしゃるわけで、知らないことが未加入の大きな原因だと考えるようになりました。そんなことから、機構発足後十年間でほとんど増えていなかったものを、二〇一九年までに加入者数を大幅に増やすことを目標に掲げて活動しておるわけでございます。
そして、この業務の内容でございますけれども、この二つ目の目標の下に書いてありますが、中小機構は企画だとか預り金の運用、管理業務をやり、新規客加入の促進活動は、ここに書いてあります商工会、商工会議所、金融機関の皆さん、要は先ほど御説明した代理店に当たる方々に委託しております。この委託業務になっている新規加入促進業務のPDCAの例を次の八ページに示しております。
ちょっと細かくて恐縮でございますが、時間の制約もございますのでポイントのみに絞らせていただきます。プランとドゥーは御覧いただいたとおりであります。チェックのところでありますけれども、目標に対して未達という状態だということであります。なぜ未達なのか、やり方のチェックをすると幾つか改めるべき点が出てきました。
まず一つ目、一方的なお願いになっている。二つ目、担当のB君はお役立ち情報、これは機構の他の事業や新しい施策情報など銀行側に役立つ情報のことを言っておりますが、このことをB君は理解していないと。それから三つ目、活動量が少な過ぎる。まだ着任して一年というふうなことだとすると、このレベルの活動では十分ではないんではないかということで、この信頼関係が銀行の方とできていないのではないかということであります。四番目、窓口担当者は他の業務とのプライオリティー付けに悩んでいるようだ。これは、決める権限は上司にあって、ほかの仕事がいろいろ上司からも出ているということのようでありました。そのほか、元々小規模事業者の皆様が御存じないことが未加入の原因であるということだとすると、小規模事業者に直接共済のメリットをアピールした方が窓口に来てくれるのではないかというふうなこともありました。
次のアクションでは、変えなければいけないポイントでどのように変えるのかを実行計画にまとめます。さあ、これで来週から新しいやり方で目標必達に向けてスタートということでありますが、ここでのポイントは、元々未達なんですから、これまでのやり方を継続しても目標達成は難しいという当たり前の判断をしっかりすることだと思います。やり方を具体的に議論して変えることであります。
次に、九ページを御覧ください。
これは、PDCAがうまく回らない原因は幾つかありますけれども、自己完結型の仕事が多い民間ではよくありがちな原因を分かりやすく説明したものがネットに出ておりましたので御紹介いたします。これは目標の共有化ができていない、要は、納得とまでは言わなくても、合意した目標に十分なっていないという例であります。
次の十ページですが、先ほどちょっと触れましたが、第三期五か年計画に、三つの基本姿勢として三番目に、改善する、これを明記いたしました。これは三期中期計画の中に書いてございます。
次に、誠に僣越とは存じますけれども、地方創生に向けた中小機構の視点での御提案をさせていただきたいと思います。
私は、大きくは三つの方法があるというふうに考えております。本日は二つの考え方をまとめてありますが、一つは需要をつかんで売上げを拡大していくこと。これは中小企業の皆さんのことを言っておりますが、地元の市場が縮小しているなら、域外の需要、域外の市場、大都市、あるいは海外需要ということになるかもしれません、これをつかむことであります。
二つ目は、直接人口を増やす策を講ずることにより地域市場の縮小を食い止めることであります。この策には大きく二つありまして、一時的な滞在ではありますが観光客を増やすこと、そして定住人口を増加させることであります。
十一ページを御覧ください。
一つ目の域外の需要をつかむことということですが、人口の減少、市場の縮小、売上げ減少の悪循環、この負のスパイラルを断ち切るにはどうしたらよいのか。コントロール不可能なことを言っても仕方がありませんので、中小企業の売上げが減っている原因が市場縮小ということであれば、地域外の需要を獲得していく努力をもっとしましょうということであります。
実は、これまではデパートとかスーパーとか実際の店舗、ここに商品を置いてもらうことは、売場の面積の問題、限られているということもあったり、あるいはコストのことも掛かったりして極めて限定された企業しかやってこれませんでした。それが、現在はネット上の仮想商店街があります。誰でも出店でき、地域外の消費者、需要者にダイレクトにアプローチすることができるわけであります。もちろんこの延長線には巨大な海外市場あるいは海外需要があります。ICTの活用、Eコマースに積極的に取り組み、域外の需要を獲得し、地域にお金を落とすことによって市場縮小を食い止め、さらには拡大もしていくことをトライしましょうということであります。
ちなみに、Eコマースでありますけれども、現在総市場が、これは小売の、あるいは卸売等の総市場でありますが、日本は三百兆円ございまして、この三百兆円の約三%強、これに当たる十兆円ぐらいが今やEコマースの規模であります、現時点でありますけれども。十年後の二〇二五年には、二〇%の六十兆円は十分可能性があるとも言われております。
この具体的な数字はともかくも、高齢化の進展だとかスマートフォンの普及などもろもろの要因、さらには米国、中国におけるEコマースの普及状況、これを総合勘案いたしますと確実な成長分野であることは間違いないと思われます。
済みません、一ページ飛んで十三ページを御覧ください。
十三ページに、早くから域外需要獲得のためにEコマースの促進に熱心に取り組んでいらっしゃる沖縄の事例を御紹介してあります。説明は、時間も限られておりますので割愛させていただきます。
済みません、一ページ戻りまして十二ページを御覧ください。
ここに、二つ目の直接人口を増やすことによる市場拡大策の考え方をまとめてあります。人口が一人減少することにより百二十万円の需要が失われる。海外からの旅行者は一人当たり平均約十五万円のお金を落としていくという観光庁の調査結果があります。八人海外から観光客が来れば、定住人口の一人分はカバーできるということであります。
昨年、海外旅行客、千三百四十万人来日、二兆円消費という実績がありますが、しかしながら、日本に観光客が来ても、ブランドである京都に行って、東京で買物して帰ってしまうのでは困ります。地方に足を伸ばしてもらうためには、地方のコンテンツ、これはもう自然の景観であるとか温泉であるとか食だとか物産、あるいは文化、人々のおもてなしなど、もうあらゆるものが外国の人たちには魅力的に感じられるようであります。これらをしっかりと発信して海外の人たちに知ってもらわなければなりません。
知ってもらうことの重要性を証明する事例として、逆のアウトバウンドの例ですが、フランスのモンサンミッシェルの特集をテレビで流したところ、モンサンミッシェルへの日本人観光客が急増したと伝えられております。また、日本でも良い例があります。北海道は、これ実は約二十年前から、テレビ局がリード役となり、自治体と民間が一体となって取り組み、成果を出しております。数字を御紹介しますと、海外からの観光客が、二〇〇〇年、二十万人だったものが、二〇一三年には百十五万人に、五倍以上に増加しております。
次に、その下の定住人口の増加ということでありますけれども、これを社会的な流入増という視点に絞ってみますと、その方法としては、すぐにこれは、普通は地域の魅力を高めていくが出てまいりますけれども、もちろんこれは必要なことでありますが、時間が掛かります、時間が必要です。灯台下暗しということでもありませんが、現時点でも十分魅力があるのに、地域の皆さんが気付いていないだけということはないでしょうか。その魅力を発信していけば若者の東京圏からの流入も可能性があるとしたら、それをトライしませんかということであります。
あちこち飛んで申し訳ありませんが、十四ページを御覧ください。

〇委員長(松村祥史君) 高田参考人、そろそろおまとめをいただけますか。

〇参考人(高田坦史君) はい、分かりました。
ここには、ある高校のある活動、情報をしっかりと伝えれば、生徒の皆さんが高い確率で地方の中小企業に関心を持つという事例を書いてございます。ただ、具体的に希望した人たちが実際に地方に行くのは、実はまれなんです。それは何かといいますと、その高校に具体的な求人がなかなか行かないという、それが問題で、情報のアンマッチ、ミスマッチがあるということが問題だというふうにも思います。
是非、この辺のところを取り組みながら、地方への流入というものを図ることが大事なのではないかというふうに思います。
以上です。

〇委員長(松村祥史君) 高田参考人、ありがとうございました。
次に、山谷参考人、お願いいたします。

〇参考人(山谷清志君) 山谷でございます。
今のお二方の参考人のお話と違いまして、私の話は評価というところに絞ってお話をさせていただきます。
簡単に私の経歴なんですが、実は、青森市生まれで十八まで青森にいまして、その後、東京の大学に行きまして、東京で二十年、広島に八年、岩手に四年、そして今現在、京都で十一年目ということで、地方の方から東京を見た場合にどうなのかというのは案外存じておるというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
私のお話のレジュメはこのホチキス留め四枚紙でございまして、三枚が今日のお話の内容でございます。地方創生に向けた国と地方の取組体制と政策評価というこのタイトルでお話をさせていただきます。
まず最初、既存の政策評価、行政評価というものがどういう状況にあるかということを四つポイントを挙げております。
まず、多種でございます。非常に評価という名の付いているものが多うございまして、公共事業評価、行政評価、事務事業評価、男女共同参画の評価、施設評価等々非常に多うございまして、これをうまく使い分けることができるかどうかというのが今現在の評価の実務上の大きな課題になっております。
二つ目、それに関連しまして、評価を行っている主体が複数ございます。国の政策評価は、御存じのように、各府省やっておりますが、縦割りでございます。基本は課の単位でございまして、都道府県も市町村も同じような形で、課の単位で事務事業評価というものをやっております。これも非常に細かく断片化しておりまして、ほかの課が何をしているのかよく分からないような状況にあるんではないかなと思っております。これをうまくまとめるために、都道府県、市町村では総務部とか総務課が苦労されておりますし、中央省庁では官房、それから内閣府は、御存じのように、男女共同参画とか沖縄問題とかいろいろなのを抱えておりますので、それをうまく取りまとめる、これで御苦労されているというふうになっております。
政府全体で総覧的にレビューをしているものがあるのかといいますと、これは政策評価の制度を所管しております総務省行政評価局が、総合性確保評価、それから統一性確保評価、この二つを行っておりますが、これは実は余り数が多くはなくて、年に数本という程度でございます。
この状況に地方創生のPDCAの政策評価が入ると、こういうふうに御理解いただければよろしいのかなと思います。
なぜそういうふうにいろんな評価が入ってきたのかということでございますが、政策評価の歴史で四つほどポイントを申し上げたいと思います。
基本は、橋本行革の時代でございまして、政策の立案と実施を分ける。中央省庁は政策の立案、それを実施する体制はいろいろあってよろしいのではないかと。民間にできるものは民間にという言葉もございましたし、地方分権、それから独立行政法人制度ができたのもこのときでございます。それぞれ別なシステム、評価のシステムが入りました。この橋本行革のときのキャッチフレーズ、スローガンでございますが、これはもう縦割りの排除、政策評価を使って縦割りを排除したらどうかという、こういうお話でございました。
その政策評価が入る直前に、私、実は九六年の二月の七日にこの参議院にお招きいただきまして、参議院行財政機構及び行政監察に関する調査会、ここで政策評価のお話を申し上げて、実は政策評価というのは中央省庁の縦割りを何とか排除するために一つ考えられる工夫の仕組みだというふうにお話を申し上げた、こういう記憶がございます。
その後どうなりましたかというのが③でございまして、実務の動向です。実は、中央省庁政策評価というのは三つの方式がありまして、総合評価、事業評価そして実績評価。実績評価というのは、目標を掲げてこれをどのぐらい達成したか、この実績を後で測定するというものでございまして、これ実は厳密に言いますと、諸外国ではこれをエバリュエーション、評価とは言いませんでメジャーメントと呼んでおります。また、当初は余り強く意識されておりませんでしたけれども、予算編成に活用したい、それから租税とか規制、新しくつくる場合にこれを事前に評価をやりたいと、こういうことで、制度を導入するときに余り考えていなかったんですが、事前評価的な色彩が強くなりました。
この評価を導入して国の府省が政策評価をやるといった場合に地方はどういうことになるのかというのが三ページ目の図の一にございまして、公共事業評価がもう典型的な話でございますが、かつての建設省、運輸省それから通産省、公共事業をやる場合に、補助金をもらっている都道府県が基本的に実際の評価をやる、場合によっては、文部科学省、当時の文部省のように、小学校、中学校の義務教育に関するものに関しては市町村がやるというふうな、上から評価をやってくれというふうな依頼が来る、こういうスタイルでございます。これがどこまで県の責任でやるのか、あるいはどこまで市町村の責任でやるのかというのが案外分からないところでございまして、また国民一般の方々に関しても、これが何の評価で誰がこの評価を使おうとしているのかというのが実はよく分かりにくいと、こういう現状でございます。
お戻りいただきまして、また一ページ目でございますが、地方自治体、九六年、七年ぐらいから政策評価を導入しようという、こういう動きがございまして、三重県庁、北海道庁、岩手県庁、秋田県庁そして青森県庁が政策評価を導入しました。ただし、二〇〇〇年前後から財政的に結構厳しくなりまして、政策という夢を語るよりはむしろ足下の現実を見るということで、行政評価、さらにはその先に行政経営、マネジメントという形で、私、言葉は悪うございますが、後退したのではないかなというふうに考えております。
二ページ目を御覧いただきたいと思います。今般のまち・ひと・しごと創生総合戦略、これを評価から見たらどういうことなのかということでございます。
仕掛けが非常にうまくできておりまして、先ほど控室で松村委員長からちらっと伺いましたら、これはどうやら経産省がかなり影響力を及ぼしていると、確かにそうだなと思います。経産省は中央省庁の中では一番政策評価に熱心な役所でございまして、いろいろ、九七年ぐらいに政策評価広報課を立ち上げて諸外国の勉強をされたりして一生懸命やられているところで、そういうところの影響が強いとこういうふうに緻密な総合的なものが、戦略がですね、できるのかなというふうに思っておりました。
その特色ですが、これも三つございまして、①、②、③でございますが、まず一つは、異質な複数政策の多重同時展開と。様々なものが入っている。産業、教育、福祉、医療、教育、防災、様々なものが入っていて、これを同時に展開するということでございます。
当然のことながら、それを担当するところもいろいろございます。もちろん、政策手段を複数官庁が担当しておりますので、その官庁の使い勝手のいい政策手段、補助金、減税、規制緩和、負荷、政策金融、こういうところが出てきます。そこで、この総合戦略の中では、ばらまきを防ぎ有効性を求めるということが出てくるんですが、これは、私ども評価の経験から申し上げますと、非常に難しいと思います。
結局、補助金とか政策金融とか、政策評価って一つの何か万能の手法があるのかと申しますと実はそうでございませんで、それぞれ必要な情報、何の情報が必要なのかという、この必要な情報の求める先に応じたオーダーメードで評価システムをつくらないといけない、こういうところがございますので、例えば教育の関係の補助金と土木とか箱物の関係の補助金、同じような評価でできるかというと、これはできません。全く関係のない情報が出てくるおそれがあります。そこが非常に難しゅうございます。
その難しさを、困難を克服するためにどうするかというのは、一つ非常に重要なポイントですが、国の総合戦略と地方の総合戦略、この調整をうまく取っていただくと、現場でどういうことになっているのか、これが国に的確な情報が上がってくる、こういうふうになろうかと思います。その意味でいいますと、評価、特に政策評価というのは情報をつくり出しそれを分析するツールだと、こういうふうにお考えいただければと思います。
四でございますが、総合戦略と政策評価に関する確認事項でございます。これは二つございます。
一つは、データによる政策効果の検証には時間が必要だということです。先ほども申し上げましたように、教育とか福祉とか非常に時間が掛かるものもございますので、毎年毎年というのはなかなか難しゅうございます。
二つ目でございますが、戦略の改善を求めるPDCAサイクルは行政マネジメント型評価と発想が違うということでございます。ここ、大事なポイントでございます。つまり、行政の組織のマネジメント、お金とか人員とか、こういうマネジメントの話と、戦略をつくってその地域社会を改善する、地域社会を良くしようという、これは全く別物でございまして、戦略のPDCAサイクルというのは実は社会に向けた形で行われないといけない、つまり組織の中の話ではないということをお考えいただきたい、こういうふうに思います。
議論の整理ポイントでございますが、矢印以下が私の提案でございます。
まず、計画が重層化しております。したがって、先ほども申し上げたとおりに、国と地方自治体、この政策調整が必要であるという、こういうことでございます。
二つ目、政策主体が複数化、多元化しておりますので、これをほっておいたら三重行政、国と都道府県と市町村というふうに三重行政になりますので、そこもまた一つ調整が必要になると、こういうことでございます。
三つ目ですが、政策手段が様々なものがございますので、これについてはプログラムという考え方、政策思考が必要だと。これは何かと申し上げますと、四ページ目の図の二でございますが、ローマ数字の大文字のプログラム、ローマ数字の小文字の政策手段の選択というふうに書かれているところでございますが、例えばローマ数字のⅡであれば、政策のパッケージというのがございますけれども、あれがまさにプログラム的な発想で、このプログラムが実際のその地域社会の課題にうまくマッチして、つまり病気を改善できるかどうかという、そこを考える必要がございます。
申し訳ございませんが、また二ページにお戻りいただきたいと思います。
四番目でございますが、目標期間を設定すると。一応これ目標期間が二〇一五年から二〇一九年というふうに五年間設定されておりますが、やはりこれはもう少し中長期的な期間設定が必要なのかなと。しかし、それは逆に言えばエンドレスで十年も二十年も続けられるものではないんじゃないかというのがここでのことです。終わりをいつにするのか、ここをきちっと事前にお考えいただくということでございます。
五番目、結果の重視の難問、つまり誰の結果なのかということでございます。その地域に住んでいらっしゃる方の結果でございますので、中央官庁の結果でもないし、都道府県の結果でもないし、市町村の結果でもないんではないかというのがここでございます。住民視点で政策評価をやっていただくと。
六番目ですが、そのためには人材育成、これ必要でございます。
先ほど後藤参考人のお話からもありましたように、実は七番目が非常に重要なポイントでございまして、小規模町村の場合は行政評価を担当している職員さんがいない、いても、議会事務局、公平委員会、その他いろんな仕事と兼業でやっていらっしゃると。これが非常に多うございまして、私、岩手県におりましたときに、岩手県内、当時五十八市町村ございましたんですが、やっぱり人材不足でございました。そこで、NPOを立ち上げて、政策評価専門のNPOというものを立ち上げましていろいろ地域活動をしていた経験がございますが、今現在でもこれは変わっていないというふうに言われております。人材不足です。
三ページ目、御覧いただきたいと思いますが、まとめでございます。
この場にお呼びいただきましたのでそれに関係したお話をさせていただきたいんですが、参議院の行政監視委員会の関与というのが非常に重要ではないかというふうに私は思っています。
まず一番最初は、まさにその参議院行政監視委員会がこの総合戦略を監視する、これが一番正しい正統な方法であると。諸外国でも、アメリカでもイギリスでも、政策評価を入れている国々は、やはり国会、議会がやっておられます。しかも、解散のない六年という任期、これが非常に重要でございまして、落ち着いて継続的に監視ができる、こういうことになろうかと思っております。
参議院独自の評価として何が考えられるかというのが、このMアンドEと書いてあるものでございまして、メジャーメント・アンド・エバリュエーションでございます。メジャーメントは、先ほどのPDCAサイクルに似たようなものであるというふうにお考えいただければいいと思います。
メジャーメントをやってエバリュエーション、非常に分かりにくいので簡単な例えを申し上げますと、年に一度定期的に健康診断をします。そのときに血糖値とか尿酸値とか体重とかを測定します。測定して安全圏内に収まっていたらそれでオーケーですと。しかし、何か大きな変動があったり問題があった場合には病院に行って診療を受けていただく。この診療の部分がエバリュエーションで、年に一回の定期健康診断がメジャーメントだと、こういうふうにお考えいただければよろしいのかなと思います。
したがって、市町村が出してこられたデータ、あるいは都道府県が出してこられたデータを御覧になられて、そこの大きな変動あるいは数字が全然変わらない場合におきましては、やはり参議院のエバリュエーションというのが必要なのではないかなと思っております。
したがって、もし現状と同じ評価、屋上屋を架すならば、更に地方にとっては負担になりますので、評価疲れということが発生するということでございます。
ポイントはどこにありますかといいますと、四ページ目の図の二の国と地方自治体と、縦系列でプラン、ドゥー、チェック、アクションと並べておりますが、この国と地方の間に両方に向いた白抜きの矢印がございますが、まさにここを見ることが非常に重要なポイントではないかなと、こういうふうに考えております。この両方を見るというのが調整ということで、国と地方のうまく情報が流れて現状が把握できるのではないかなというふうに考えております。
恐縮でございますが、三ページ目にお戻りいただけますでしょうか。
五番目でございますが、評価から実施を見直す、プラン、ドゥー、チェック、アクション、まさにそれと同じことでございますが、評価をやって実施プロセスにどんな課題があるのかということを御覧いただければよろしいのかなと思っております。
サンプリング的に地域を調査する実態活動というのは実は結構時間が掛かりまして、五年から十年というのがあります。非常に抽象的な話を申し上げて恐縮でございますので、分かりやすい具体例を出しますと、私どもは、実は文部省の科学研究助成をいただきまして男女共同参画政策の実態調査というものを評価の視点で分析いたしました。この三月末に本が出ますが、実はこれが、政策目的としては誰も反対しません。国の省庁、もちろん国会議員の皆様方も誰も反対しません。しかし、現場の都道府県、市町村では何が起きているかと。評価の方法を選択した間違いのためにこの男女共同参画政策そのものが失敗していると、こういう結論の本でございまして、もし御関心があれば事務局に一冊お届けいたしますので、御覧になっていただければと思いますが。
まさに、すばらしい政策、すばらしいコンセプトで進められるとしても、その実態を知るための評価のメカニズムをしくじってしまうと実はその本来の政策を潰してしまうことがよくあると。これがこの総合戦略に発生しなければ、創生戦略に発生しなければいいなというふうに若干の懸念を持っておりますが、その部分にはこちらの参議院の行政監視委員会の先生方に御尽力いただいて、そうならないように、どうぞよろしくお願いいたします。
私の方からは以上でございます。

議事録を読む(参考人質疑)
〇委員長(松村祥史君) 山谷参考人、ありがとうございました。
以上で参考人の方々からの意見の聴取は終了いたしました。
これより参考人に対する質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。

〇倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
今日は、三人の参考人の皆さんに御意見をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。
私も京都選挙区選出なんですけれども、ふるさとは福島県の西会津というところで、大変山合いで、もう一年に集落で一割ぐらいの人が亡くなっちゃったというようなこともあって、限界集落も限界というような状況なんですね。改めて青森の様子、御紹介ありましたけれども、まさにそういう状況になっております。
地方経済の疲弊、人口減少ということが、これ言われて本当に久しいと思うんですね。そもそも本当に考える必要があるなと思っているのは、なぜこうした事態が起こったのか、その原因については、時間がなくなってしまうといけませんので、端的にお三方がこれが最大の原因じゃないかと思っているところを御紹介いただけたらなと思います。

〇参考人(後藤正和君) 倉林委員さんの、非常に、これ端的にとおっしゃられますけど、様々な要因があろうかと思います。
端的にと申しますと、やはり人間は欲は大きいものですから、常に上を見たいということが最大の原因でなかったのかなと。それは日本の高度経済成長に、まさに冒頭申し上げましたけど、地方の人口が吸収されていったということでないですかと。ですから、一次産業は、従来型の農林業、田舎の農林業はもう壊滅状態ということでしょうと思います。
だけど、最近の都会の若い人々のアンケート調査を見ますと、地方に暮らしてみたいという方も六割を超えるほどの方がいらっしゃるというふうに、価値観が、あるいは人生の暮らし方の質とでもいいますか、これがかなり変わってきたのじゃないですかと、バブル崩壊以来、というように感じます。
ですから、何を求めているのかなと、若い人が、というふうなことを思います。ですから、安心とか安全とかきずなとか、そういうようなものを様々な災害の発生等によって経験されたんでないのかなというような気がします。ですから、まさに田園回帰ということは、非常に地方創生にとって大事なことかなと思います。

〇参考人(高田坦史君) 端的に申し上げますと、基本的にそのエリアにある企業、多分中小企業が多いと思いますが、その中小企業の皆さんの売上げが多分減っていく、減っていくということが結果的に職場として魅力をなくすというようなことにつながっていると思うんです。あるいは、雇用吸収力がどんどんなくなってきます。したがいまして、私は、要は働く場が魅力的でない、ないしはそれだけ雇用できるだけの力がなくなっていくということが原因だというふうに思います。
以上です。

〇参考人(山谷清志君) 若干違う視点で申し上げたいんですが、今大学の教員をしておりますので若い人たちと日常的に接しておりますが、若い人はできれば地元に帰りたいと思っています。広島の世羅町というところから来ている学生も帰りたい、しかし職場がないと、こういう状況でございまして、ちょっと最近、ですからこれが変わってきたわけですけれども。
昔から考えてみますと、やはり、私も青森高校出身なんですが、東京の同窓会の方が出席者が多いという、まさにこれが何十年も続いてきて、結果としてこれになっている。そこに、先ほど私が申し上げたように、今の大学生、京都の同志社大学に来ていますけれども、できれば広島に帰りたい、できれば青森に帰りたい、しかし職がない。こういう相乗効果的なものが発生しているのかなと。
したがって、今回のこの計画、戦略ですけれども、地方の大学を重点化する、プラス地方の中小企業を大事にお考えいただくという、これは正解なんですが、その仕組み、プログラムをどううまく回していくかというところが結構厳しくて、私も大学の教員なので現場のことは余りよく分かりませんが、青森で倒産した中小企業を随分脇で見ていますけれども、まさに高田参考人がおっしゃったような状況なんだろうなと、はたで見ていますと感じます。
ちょっとお答えになっていませんが、よろしくお願いします。

〇倉林明子君 本当に地域経済疲弊の要因の核に、やっぱり仕事がない、食えない一次産業になった、それは本当に大きく背景としてあったと思うんですね。
その上で、改めて近年取り組まれてきた地方の分権化とか地方の活性化ということ、いろんな取組をやられてきたんだけれども、私、改めて評価をお聞きしたいなと思っているのが、この間行われてきた三位一体改革、それから平成の大合併ということで施策が取られてきたんだけれども、私は、これは一つ、やっぱり地方にとって弊害は大きかったんじゃないかというふうに思っているんですけれども、御意見を後藤参考人と山谷参考人に、済みません、お願いしたいと思います。

〇参考人(後藤正和君) 三位一体の改革では、補助金カット、交付金カットというような流れがありましたけれども、これは財源の乏しい地方自治体にとりましては随分こたえましたねということです。その後、若干地方交付税については盛り返してきておるということで、この流れは有り難いなと思いますが、将来は多分また落ち込むであろうということを予測しながら財政運営していかなければならないと、このように思います。
合併は、実は結果から申しますと、合併はしておりません。単独でございました。なぜかということですけれども、実は対象自治体が合併しないという意思表示を早くから出しておられたということであります。当然神山町は、そのとき相手がいて合併していたとしても、相手が大きな自治体ですから吸収される図式になります。周辺部は、現在の状況を見てもお分かりのとおりだと思います。ですから、なかなか、合併しなくて今は良かったのでないのというふうに感じています。
以上です。

〇参考人(山谷清志君) 地方自治体の合併の狙いは、いろいろな合併をした結果として、専門的な知識を持つ自治体の職員さんが確保できるんではないかなというところにございまして、まさしく、私の専門であれば行政評価に関する専門の職員さんも多分出てくるだろうというふうに思っていたのですが、案外そうでもなかったという。案外そうでもないところに介護保険とか子ども・子育て計画とか障害者計画とか、いろんな計画が国から降ってくる、その中でもう大変な状況なんだろうなというふうに。
そういう意味で申し上げますと、当初語られていたように合併で何かいいことがあるかというと実は案外そうでもなかった。むしろ大変になったという、自治体の面積が広がってしまったり、大変になってしまって、実態としては結構厳しいのかなと。特に災害がある場合は結構厳しゅうございますね。
そういう意味でいいますと、三位一体の改革というのは、正直申し上げまして、私の青森もそうですが、中小企業が結構大変でございまして、あれも厳しゅうございました。
以上でございます。

〇倉林明子君 山谷参考人に、先ほど御発言されていたところでもう少し踏み込んでおっしゃっていただきたいなと思いますのは、行政評価が行革とセットでやられてきたという経過を、私も京都で市会議員しておりまして、二〇〇〇年に行革大綱と一緒になってこのPDCAサイクルというのが持ち込まれたということで、すごく記憶しているんですね。やっぱり事業のスクラップ・アンド・ビルドの手段としてすごく使われてしまったということで、PDCAサイクルが民間経営の場合に有効に働くということとちょっと違う使われ方もしてきたんじゃないかと思っているんですね。その点での先ほど御紹介もあった辺りというところをもう少し踏み込んで御紹介願えればと思います。

〇参考人(山谷清志君) まさにおっしゃるとおりで、二〇〇〇年頃から行政のスリム化とか行革の名目でPDCAが盛んに進められるようになりまして、正直申し上げまして、それ以前とそれ以後が全く違うものでございます。
ですから、政策評価として導入された九七年、八年、この時代は、夢を語る、新しい政策、今までとは違ったものを。ですから、当時はいろいろ、地方で県立大学をつくるとか、あるいは高校に新しい科目を設置するとか、いろんな形で夢を語る部分で、今までの行政資源をその夢の部分に集中的に投入する、そのために政策をもう一回見直そうというふうな形で特に東北では行われていたんですが。
二〇〇〇年以降、やはりいろんな形で行政の財源が厳しくなりまして、スリム化、シェイプアップ、そして事業仕分が入ってきまして、削り代がもうないところで乾いた雑巾をまだ絞るのかという、そういうところが出てきまして、当時いろんな都道府県の方々あるいは市町村の方々と交流がございましたんですが、結構やはり厳しゅうございまして、そこまでやるのかという、そういう形で受け止められていて、なおかつ今現在もその傾向で、多分、皆様方に事前の資料で私の論文がお手元にあるかと思いますが、実はその辺りの話も少し含めて考えておりました。
結果として、政策評価が行政評価に行き、行政経営マネジメントに行き、今現在何が起きているかというと、公会計制度の導入。これは愛知県庁なんですが、全てにコストを当てはめてやっていって、いろいろ学校やら資料館やら、そのコストをきっちり積み上げてやっていく。削り代、切り代を探していくわけですね。しかし、果たしてそれがこの事業に付いているコストなのかどうか、なかなか難しいのがあるんですが、それも切ってしまう。そういう仕組みにせざるを得ない社会的な風潮が今現在ございます。
ですから、行政が悪いとか、例えば今たまたま愛知県庁を出しましたが、愛知県庁が駄目なのかというとなかなかそうではなくて、社会全体の風潮がそちらの方に行ってしまっているのではないかなというふうな危惧を持っています。

〇倉林明子君 終わります。ありがとうございました。