国会レポート

経ヶ岬への米軍レーダー基地設置問題について(行政監視委員会)

2014年5月19日

(ページ下部に資料があります)

 日本共産党の倉林明子参院議員は19日の行政監視委員会で、航空自衛隊経ケ岬基地(京都府京丹後市)への米軍Xバンドレーダーの配備計画をめぐり、電磁波による健康被害や環境への影響などの不安が住民に広がっているとして、計画の撤回を主張しました。

 倉林氏は米国防総省が予算書で環境影響評価を工事着工前に完了するとしていることや、防衛省は地元住民との協議で、日本環境管理基準で規定する自然管理計画作成など環境保護の取り組みが実施されると説明し、防衛省も働きかけると述べていることを指摘。「米軍に対し働きかけを具体的にやったのか」と迫りました。
 小野寺五典防衛相は「日本環境管理基準は在日米軍が作成し運用しているもの」などと答えるだけ。米側が環境影響評価を実施したかどうかだけではなく、防衛省自身の行動(具体的な働きかけ)さえも答えませんでした。
 倉林氏は、日本環境管理基準は適用除外規定があり、実施するかどうかはアメリカ次第であることを告発。住民との約束を果たす立場から「米側がやらないなら防衛省が環境影響評価を実施すべきだ」と強調しました。

 “5月に着工”という米側の情報を伝えるだけの防衛省に対し、倉林氏は安倍晋三首相が集団的自衛権行使容認の方針を示したことをあげ、住民の間で不安がさらに強まっていると指摘。「住民は納得しない」と迫りました。

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第186回国会 行政監視委員会 2014年5月19日 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査(行政の活動状況に関する件)

〇委員長(江口克彦君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。
行政の活動状況に関する件について質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言を願います。

〇倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
今日は、京都府京丹後市経ケ岬の米軍基地建設問題について質問をさせていただきたいと思います。
この経ケ岬への米軍基地に配備を計画しているのがXバンドレーダーというレーダーとなっておりますが、この概要と配備の目的、そしてこの場所が、経ケ岬が選ばれた理由について、まず御説明をお願いしたいと思います。

〇政府参考人(真部朗君) まず、今御指摘のTPY2レーダーにつきましては、平成二十五年二月二十二日の日米首脳会談におきまして、日本国内に二基目のTPY2レーダーを配備し、弾道ミサイル防衛により万全を期す必要があるとの方針で一致が見られたところでございます。
これを受けまして、防衛省におきまして、TPY2レーダーの追加配備の候補地につきまして、我が国防衛上の有用性等様々な観点から、米側とも協議しつつ、検討を重ねてまいりました。その結果、航空自衛隊の経ケ岬分屯基地につきましては、我が国及び米国に飛来する弾道ミサイルの探知・追尾能力の向上を図ることが可能な位置にあること、あるいはレーダー照射面に向かって遮断するものはなく見通しが良いことなど、弾道ミサイルの監視、追尾を行う上での最適の場所であると考えられることから、追加配備の候補地として選定をいたしたところでございます。
地元自治体からも、平成二十五年九月十九日に、京丹後市長、京丹後市長それから京都府知事、両者からTPY2レーダーについて一定の御理解を得たところでございます。
経ケ岬分屯基地にTPY2レーダーを配備することによりまして、我が国及び米国に飛来する弾道ミサイルについて探知・追尾能力の向上を図ることが可能となるため、日米双方の更なる弾道ミサイル防衛能力の向上に寄与するものというふうに考えておるところでございます。

〇倉林明子君 市長並びに知事の受入れの表明があったということは答弁であったんですけれども、住民はちっとも納得していないんですよ。説明会についても表明があったとおりだというふうに思うんです。
これ、日本で二か所目のレーダー基地になるということで、日本海側から飛んでくる弾道ミサイルを把握するためのものだということで、本当にこのレーダーが環境に与える影響、米軍が来るということに関しては、住民の不安というのは、解消どころか現時点でも本当に強いものがあるということをしっかり私は受け止める必要があるというふうに思います。
そこで、昨年二月に、地元には寝耳に水ということで計画が発表になったわけです。住民に防衛省から説明があったのは三月に入ってからということでした。昨年八月に防衛省も出席して住民説明会が開催されたものの、納得できないという声が多数出されたことは御承知のとおりだと思います。
七か月ぶりということで今年四月に地元説明会を開催されておるんですが、ここで説明があった具体的な中身について端的に数でお答え願いたいんですけれども、工事の着工の時期はいつか、レーダー搬入の時期はいつか、運用開始、これいずれも時期で明確にお願いしたいのと、配属される米軍の規模、この内訳はどうなっているでしょうか、数字で全てお願いします。短くお願いします。

〇政府参考人(真部朗君) はい。
お答えいたします。
まず、この着工の時期等につきましては、本年十月頃にレーダー及び関連機材を搬入、設置いたしまして、本年十二月末を目途に運用を開始する予定であるというふうに米国から聞いております。
それから、人数につきましてでございますが、配属されるところの米軍人などの人数につきましては、本年十二月の本格運用開始後、最大約百六十名程度であるというふうに米国から聞いております。また、その内訳につきましては、今後変動はあり得るものの、本年十二月末の運用開始時におきましては、米軍人の人数は部隊の指揮統制要員等約二十名程度であるというふうに聞いております。

〇倉林明子君 工事の着工が五月ということで住民説明会では時期が明示されております。ところが、現在に至っても具体的な工事計画さえ示されておりません。一体何事かという声が上がったのは当然やと思うんですね。民間のマンションでさえ、工事説明会を開催して工事計画だって出すと、これ常識になっているわけです。住民が、工事がいつになるのか計画を明らかにせいという声にしっかりと私は防衛省としても応えるべきだと、一点。
さらに、工事の着工前に住民が実施を求めてきたものに環境影響評価がございます。これについても、四月の説明会の段階では全く説明がないということです。着工前にその影響を説明する、これは住民との関係でも当然されるべきではないかと思いますが、いかがでしょう。

〇政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
まず、経ケ岬へのTPY2レーダーの配備につきましては、米軍による事業ということもございます。そういった観点で、私ども、米軍から入手した情報につきましては直ちに地元の方に進めさせていただいているところでございまして、それによりますれば、先ほど答弁ございましたように、本年五月に着工し十二月末に完成予定であるというのが第一期工事の内容として把握しているところでございます。
また、影響等についてのお尋ねでございます。
防衛省におきましては、地元の京丹後市からの要望も踏まえまして、経ケ岬へのTPY2レーダー配備に伴います周辺環境への影響を比較検証するため、周辺地域への騒音調査等をレーダーの設置前後に実施することとしており、この一環といたしましても、既に現状の把握ということで騒音調査等を適宜実施させていただいているところでございます。

〇倉林明子君 それは事前調査であって、今御説明あったのは環境影響評価には該当するものじゃないというふうに思うんですね。
そこで、米軍による事業だということで、米軍が日本における施設を建設する際に、日本環境管理基準に基づいて調査をするということが米国防省の予算書でも記載があったということは衆議院の議論でもあったかと思います。ここでも明記されているように、環境影響評価については工事着工前に完了するというふうに米国防省の予算に記載をされております。着工が既に五月にするということで決まったのであれば、米軍によるこの日本環境管理基準に基づく評価が完了しているということじゃないかと思うんです。
防衛省は、当然、この調査についてはやられたのかやられていないのか、結果も含めて把握をしているのではないかと思いますが、この評価が実施されたのかどうか、いかがですか。大事なところなので、大臣、しっかり答えてください。

〇国務大臣(小野寺五典君) 今御指摘がありました日本環境管理基準については在日米軍が作成し運用しているものでありますが、防衛省としては、日米間の様々なやり取りの中で、TPY2レーダーの配備に当たっては周辺環境や住民への安全に十分配慮するように申入れをしておりまして、この点については米側からも理解を得られているものと認識をしております。
いずれにしても、防衛省としましては、経ヶ岬へのTPY2レーダーの配備に当たりましては、米側が環境保護及び安全への取組を適切に実施するよう、引き続き働きかけてまいりたいと思っています。

〇倉林明子君 だから、米軍の事業であり、米軍が米軍の規定に基づいて環境管理基準に沿った調査をすると予算まで付いているんだけれども、実際、それは工事着工までにやると書いてあるんだけれども、やられたのかやられていないのかについての答弁今なかったと思うんですよ。
そこで、私、この基準に基づいての評価がやられたのかやられていないのかというのは、防衛省は住民側に対してきちっと説明する責任があるというふうに思うんです。なぜかといいますと、今年一月二十四日に、地元住民と防衛省との協議がされております。その中で、防衛省は、米国が日本国内に施設を造る場合に適用される日本環境管理基準について回答しております。この基準で規定される諸計画は工事着工前に作られると、こう説明しているんですね。自然資源管理計画の作成など環境保護への取組が実施されるとして、防衛省は実施されるよう米軍への働きかけをしていくと、こうも答えているんですよ。
じゃ、一体、自然資源管理計画、文化的遺産管理計画に対して、米軍に対して働きかけは具体的にやったのかどうか。理解をしているということでしたけれども、具体的にこの管理基準を担保するものとしての協議がされたんでしょうか。

〇政府参考人(山内正和君) お答え申し上げます。
先ほど大臣からも御答弁申し上げさせていただきましたように、御指摘の日本環境管理基準というものは在日米軍が作成し運用しているものでございますので、その点につきまして、お尋ねの点につきまして、政府・防衛省の立場から具体的にお答えする立場にはないというふうに考えておるところではございますが、繰り返しになりますけれども、私どもとしましては、米側が環境保護あるいは安全への取組と、こういったものについて適切に実施するよう、今後とも引き続き働きかけてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

〇倉林明子君 それでは住民は納得しないというんですよ。あなた方が住民さんに向けてした説明について、やったのかやらなかったのかも報告しないということは、一層住民の不信を、かえって火を付けるようなことになるんじゃないかと思うんですよ。やったのかやらなかったのか、これについてははっきり答弁をいただきたいと思います。
しかし、この日本環境管理基準というのをよく読んでみますと、適用除外規定というものがあります。つまり、この環境管理基準に沿って評価するのかしないのかというのはアメリカ次第だということがはっきり書いてありました。国家安全保障、国益に関わる場合は全て適用除外ということで、国内での建設する場合とそこが大きく異なっております。
適用除外の対象になったのかどうか、これも併せてお答えください。

〇政府参考人(山内正和君) 日本環境管理基準、いわゆるJEGSにつきましてのお尋ねでございます。
このJEGSは、在日米軍の部隊、施設が人の健康と自然環境を保護できるよう保障する目的で在日米軍により作成された環境管理基準であり、環境汚染物資の取扱いやあるいは保管方法等を定めたものというふうに承知しておるところでございます。なお、このJEGSの内容につきましては、二〇一二年版の日本語訳を、仮訳でございますけれども、防衛省のホームページ上に掲載しておるところでございます。
その中身で、いわゆる適用除外の部分について、ちょっと私、今突然のお尋ねでございますので、手元の資料でお答えさせていただきますと、米軍艦船の運用あるいは米軍航空機の運航、国防省の過去の活動によって引き起こされた環境問題を改善するための措置の決定あるいは実行などというものにつきましては適用除外というふうに記載されているものと承知しております。

〇倉林明子君 はっきり住民に対して説明してきたことに対して、五月の工事着工という時期を示しながら、明確に答えられないというのは、これは駄目だと思うんですね。
大臣、本当にこの環境管理基準、日本環境管理基準は、沿って実施されたのかどうか、評価が。明確にお答え願いたいと思います。

〇国務大臣(小野寺五典君) 私も、昨年十一月に、京都府知事、そしてまた現地、京丹後市長そしてまた議会の皆さんとも懇談をさせていただき、今回のTPY2レーダーが日本の安全保障に重要なことについては様々説明をさせていただきましたし、また協力についてのお約束もいただきました。
いずれにしましても、防衛省としましては、経ケ岬へのTPY2レーダーの配備に当たっては、米側が環境保護及び安全への取組を適切に実施するよう引き続き働きかけてまいりたいと思っております。

〇倉林明子君 全然答えになっていないと思うんですね。もう住民は到底今の説明に納得できないというふうに思います。
防衛省が、もし米軍がやらないまま着工ということになれば、一層住民は収まらないと思うんですね。私は、アメリカがやらないのであれば、日本が、防衛省が責任を持ってしっかりした環境影響評価を工事着工前に実施すべきだ、そして公開すべきだということを求めておきたいと思います。答弁は後からいただきたいと思いますが。
もう一つ大きな問題になっているのが、この米軍基地の予定地を……

〇委員長(江口克彦君) 時間が来ておりますので、手短によろしくお願いします。

〇倉林明子君 はい。防衛省が買い上げているんですけれども、単価、いただいた資料によれば三十五万円となっておりますが、札束で、札びらでたたくような買上げ方をしているということは到底納得できないということを申し上げるとともに、集団的自衛権の行使容認の道ということが今まさに提起されようとしてきております。非常に住民の中での不安がかき立てられる中で、撤回を求める声があると、この声にしっかり応えるべきだということを申し上げておきたいと思います。
最後、答弁だけ求めて……

〇委員長(江口克彦君) もう時間が来ておりますので。

〇倉林明子君 はい、済みません。

〇委員長(江口克彦君) 一言、いいですか。じゃ、小野寺防衛大臣。

〇国務大臣(小野寺五典君) 住民の皆さんに不安がないよう、これからもしっかり米側と調整をしていきたいと思っています。

〇倉林明子君 終わります。