倉林明子

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原発再稼働断念迫る 舞鶴市の避難計画実態から(経済産業委員会)

(ページ下部に資料があります)

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第186回国会 経済産業委員会 2014年3月13日

本日の会議に付した案件
経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
(経済産業行政等の基本施策に関する件)

〇倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
原発の再稼働をめぐって質問をしたいと思います。
所信表明では、原子力については、いかなる事情よりも安全性を優先しというふうにされております。
そこで、この間、予算の審議等を伺っておりまして、確認をさせていただきたいと思う点がございます。それは、原発の安全性について一体誰が判断することになるのかという点です。大臣、お願いします。

〇国務大臣(茂木敏充君) 原子力規制委員会、これは原子力規制委員会設置法、そして原子炉等規制法に基づいて新規制基準への適合性を審査していると、このように理解をいたしております。

〇倉林明子君 答弁を素直に聞いておりますと、安全であると判断するのが規制委員会で、それを受けて再稼働を進めるということになるんだという流れで一貫して答弁されてきたと思うんですね。
そこで、一つ規制委員長に質問したいんですが、規制委員会が原発の安全性を判断するのかどうか。もう一つ、規制基準に適合すれば事故は起こらないと断言できるのか。いかがでしょうか。

〇政府特別補佐人(田中俊一君) 原子力規制委員会は、まず科学的、技術的見地から原子力発電所の規制に必要な基準を設定しまして、これに、原子力発電所がその基準に適合しているかどうかという、いわゆる適合性を確認するということが役割であります。
それで、この新しい規制基準ですけれども、これにつきましては、今回の東京電力福島第一原発事故の教訓と国際的な最新の技術的知見を踏まえて策定したもので、それ自体は現時点では世界最高レベルのものというふうに考えておりますが、この規制基準が、ここが最後ではなくて、常に新しい知見を織り込んでレベルアップを果たしていくべきものというふうに思っておりますが、現在そういう考え方で各原子力発電所の基準への適合性を厳格に審査しているところでございます。
絶対事故が起こらないのかということでございますけれども、福島第一原発事故のことを踏まえれば、新規制基準に適合したとしても、それが絶対に安全であるということを意味しているわけではありません。この点につきましては、私どもとしては、安全目標というのを決めまして、これ以上の放射能の放出等がないように、環境とか人体の、人への影響のないようにということは決めておりますけれども、絶対事故が起こらないということは申し上げておりません。特に、安全の確保というのは規制だけで確保できるものではなくて、事業者がそのつもりになってきちっと安全確保についての姿勢を貫くということが極めて大事だということを申し上げておるところでございます。

〇倉林明子君 総理は、おっしゃったように規制基準なんですよね、あくまでも、ところが、この規制基準を世界最高水準の厳しい安全基準と言い換えて答弁されているんですね。さらに、この規制基準に適合しても、福島第一原発の事故の教訓からも絶対安全はないと、事故は起こり得ると、こういうことが基本だと思うんですね。
そこで、質問なんですが、規制基準の審査に当たって、炉心溶融を想定した事故対策のシナリオが各電力会社から提出されているということです。私、京都ですけれども、お隣の福井県の若狭湾には原発が大変集中しております。その中の、審査先行しております大飯、高浜原発、この電源喪失から炉心溶融に至る時間、原子炉容器破損、ここに至る時間はそれぞれどれだけ掛かるという想定になっているでしょうか。

〇政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
新規制基準におきましては、委員御指摘のような炉心の溶融が起きたときに格納容器を守る、格納容器が破損する、これは格納容器が破損しますと大量の放射性物質の漏えいにつながりますので、そうならないように対策を講じることを要求してございます。そういった観点で、各電力会社が、どのようなことになったら炉心が溶融するのか、その時間はどのくらいなのかということを解析してきてございます。
幾つかのパターンがございますけれども、最も早く炉心の溶融に至るというケースについて申し上げますと、大飯原発あるいは高浜原発、それぞれ同じシナリオを想定しております。中身としては全交流電源喪失、いわゆる全ての交流電源が失われた状態において大規模な冷却材喪失事故が発生する。そのような場合には、通常、緊急炉心冷却システムが作動するわけでございますが、それも作動せずに、炉心に冷却材が注入することができない。さらに、格納容器を冷やすために設けられているスプレーというものがございますが、これも作動しない。こういうようなケースを想定して、そのような場合には、炉心溶融に至る時間は、大飯原発で約二十一分、高浜原発で約十九分となってございます。さらに、これが継続しますと原子炉容器の破損に至るわけでございますけれども、この時間についてはそれぞれ約一・四時間と一・五時間となってございます。
ただ、なお、念のために申し上げますと、これに対して事業者は代替の冷却水の注入ポンプというものを定めておりまして、これを用いることによって格納容器の破損が防止できるということを主張して、今ストレス審査しているという状況でございます。

〇倉林明子君 最悪の想定で事業者が考えているというところでいえば、大飯は一・四時間で原子炉容器が破損すると、高浜は一・五時間でという数字が示されたかと思います。
そこで、アメリカの緊急時計画策定の基準ということで、放射能の放出の開始及び継続期間に関する指針と明確に定められております。被曝地点への放射能の到達時間について、五マイル及び十マイルでどういう規定になっているでしょうか。

〇政府特別補佐人(田中俊一君) 五マイル、約八キロになりますけれども、ここで三十分から二時間、それから十マイル、その倍の十六キロぐらいになりますが、ここで一時間から四時間程度と示されていると承知しております。

〇倉林明子君 アメリカでは、こうした指針に基づいて、実効ある避難計画と認められない場合は建設も稼働も認められないと、こういうことになっていると思うんです。福島原発を体験した日本でこそ、実効ある避難計画こそ私は求められているというふうに思うんです。しっかり基準としても縛りを掛けるべきことだと思います。
さて、ところで、実際に今避難計画が、UPZと規定されたところで作成や避難訓練も始まっています。高浜、大飯に隣接しております我が京都府の舞鶴市は、市内全域がUPZにほぼすっぽり入るということになります。市役所を始め八万九千人、市民全員が避難対象となります。この地域では既に避難計画を含む原子力防災計画も策定されておりますし、避難訓練も実施した、そういう意味では先行した取組がされているところだというふうに思うんです。
この避難訓練でどういうことが起こったかというと、どういう想定になってやられたかといいますと、事故発生のファクスが入ったと、これが初報の七時三十五分でございました。五キロ圏内のいわゆるPAZの住民の避難、出発したのが八時四十分、三十キロ圏を出たところにありますスクリーニングのところ、到着したのが十時五十分ということになっています。
こうした実態を見ますと、先ほどの過酷、最悪の事態を想定した場合、被曝の危険性があるという計画になっているんじゃないかと私は指摘せざるを得ないと思うんですが、いかがでしょう。

〇政府特別補佐人(田中俊一君) 新しく定めました原子力災害対策指針では、まず、原発からおおむね五キロ圏内、いわゆるPAZ圏内については、こういったいわゆる緊急事態が生じたときには避難についての準備を開始を始めるということでございます。すなわち、こういった指針では、非常停止が必要な場合に制御棒の挿入により原子炉をすぐに直ちに止めないような場合、それから、非常用直流電源母線からの電気の供給が五分以上停止した場合、それから、非常用炉心冷却装置の作動が必要な原子炉冷却材の漏えいが発生し、全ての非常用炉心冷却装置による注水ができないという場合など様々な事象を想定して、この場合は全面緊急事態と定めております。
ただし、全面緊急事態、即、イコール環境への放射能放出ではなくて、その後にシビアアクシデント対策として、先ほど櫻田の方から申し上げましたように、格納容器を保護するための様々な手段、もちろん炉心を冷却する様々な代替手段等を講じておりますので、舞鶴でこういった避難訓練をやった、その事象については私どもも承知しておりますけれども、そういったことも考慮していないというところがありますので、今後、そういったところについてもきちっと私どもからいろんなデータを提供しながら、より実効性のある避難計画を作っていただくようお願いしたいと思っております。

〇倉林明子君 つまり、被曝の可能性について完全に否定されなかったということだと思うんですね。そういう点では、見直しも含めて情報を提供していくという答弁だったと思います。
この避難住民八万九千人、この避難計画の立案というのは、本当に地元の自治体を含め、大変な苦労をして作られています。確かに地方のことは地方が一番よく知っているんですけれども、全住民を避難させるというような計画は立てたこともなければ、もちろんやったこともない。
そこで、避難手段で確保できていた計画上の避難手段、バスやタクシーですけれども、三千五百人しか運べないんですね。その上、避難経路となる国道二十七号線、高速道路もあります。二経路の確保はできています。
ところが、資料をお配りしておりますが、二枚目を見ていただきたいんです。これは舞鶴市が予算要望として重点項目で挙げている中身でもあるんですが、今御紹介した国道二十七号線、これが冬場どういう事態に恒常的になっているかというのが下の状況で、少し見にくくなっていますが、車、長蛇の列で慢性的な渋滞を引き起こすということで長年の解決要望が出されているところを抱えているんです。
その上を見ていただきますと、福井県と京都府、つまり大飯や高浜で事故が起こった場合、この二十七号線を通じて福井県側から西に向けて避難する、この避難路にも実は二十七号はなっているんです。二十七号に車が相当数入り込むということも十分に懸念されますし、冬場は車、動かないということが想定されるという状況なんですね。
受入先についても今どうなっているかと申しますと、八万九千人という舞鶴の避難民を受け入れる、その一枚目の資料のところに付けておきましたが、舞鶴から京都市に六万九千人受け入れると。ただし、これは南部に、京都府内でどう受け入れるかという計画しか現状では立てられなかった、そうなったんですね。
ところが、西に逃げたときに、風向きによっては西部に、兵庫県側に逃げていかなければならないということも想定はされたんです。ところが、この受入れは広域連合の調整になるということで、現実的に西部側での受入れがまだ確定していないんですね。現実的には一体どこに行ったらいいのか分からないまま避難を余儀なくされるということが避難計画、避難訓練実施した上でも出てきているような状況なんだということなんですね。
長時間避難する市民が被曝のリスクにさらされる可能性は私は現時点では排除できないというふうに思うんです。
そこで、大臣に伺いますが、いかなる事情よりも安全性を優先するというのであるならば、住民の被曝の防止を最大限考えるべきであり、住民の安全確保こそ、私、優先されるべき大事な課題であると思いますが、認識、いかがでしょうか。

〇国務大臣(茂木敏充君) 住民の安全性を確保すると、もちろん極めて重要でありまして、ですから、防災計画、そして避難計画等々も作っていると。
資料を拝見すると、何かよく読んでみると、その二十キロの渋滞というのは、常にじゃなくて一番大雪だった日に発生していると、そういうことですよね、ここについては。

〇倉林明子君 そうです。

〇国務大臣(茂木敏充君) 必ずしも恒常的にとさっき言っていた表現とはかなり違うと思うんですよね。
その実態の中で、やはりその実態をよく知った自治体がどういう実施体制で避難を行うか、避難ルートをどうするか、避難先をどうするか、さらには、どの地域にどういった居住形態のお年寄りなり、どういう勤務形態をしているか、地域の実態、一番御存じなのは自治体ですから、そこにおいて避難計画等々を作る、国としてもそれに向けたタスクフォースであったり様々な形での支援というのはこれからも続けていきたいと考えております。

〇倉林明子君 現時点では避難計画が、全くそういう意味でいうと、住民の避難確保できるような展望が自治体のところにはないということをしっかり私は見る必要があるというふうに思うんです。
その上で、三十キロ圏内の自治体、つまり、新たにUPZということで避難計画が義務付けられた自治体について、事故のリスクを負う当事者だと私思うんですね。総理も、再稼働について地元の理解を得ることが重要だというふうにも答弁をされております。そこで、私、はっきり確認をする必要があると思いますのは、総理のおっしゃるこの地元、この定義と範囲についてはどうお考えでしょうか。

〇国務大臣(茂木敏充君) 何度も答弁をさせていただいておりますけれども、この地元でありますが、それぞれの地域によって事情は異なります。また、地域の意向も異なります。一律に距離であったりとか何かで定めるものではないと、このように考えております。

〇倉林明子君 そこを曖昧にされるから、一層自治体の方は心配になってくると思うんですね。
原発の安全協定が立地自治体と電力会社間で協定として結ばれております。立地自治体との協定では、立地自治体の了解がなければ稼働できないと、立入調査なども認めてきたというものであります。関係自治体、いわゆる三十キロ圏内の自治体からはこの立地県並みの協定の締結を要請していると。京都府もそうであります。ところが、電力会社は応じないという状況があります。
問題は、この三十キロ圏内に避難計画を義務付けたのは政府だということなんですよね。ところが、立地県以外の自治体には再稼働の可否について権限がないということなんです。だから、地元ということをきちんとはっきりさせる必要があるんじゃないかという趣旨で質問させていただいたんですけれども、御答弁、いかがでしょう。もう一回。

〇国務大臣(茂木敏充君) 法律、是非一度読み返していただきたいと、こんなふうに思いますけれども、原発については、原子力規制委員会により、新規制基準への適合性、これが確認されれば法令上、法令上でありますが、事業者が自らの判断で再稼働することが可能な仕組み、このようになっているわけであります。ただし、各事業者は、地域住民の安全、安心の観点から、立地自治体との間で安全協定を締結をしているということであります。これも事業者の判断であります。さらに、周辺自治体も含めた自治体につきましては、原子力災害に係る地域防災計画、避難計画を策定することとなっておりまして、これは地域住民の安全、安心の観点から重要であると考えておりまして、先ほど申し上げましたように、政府としても引き続きその充実に向けた支援を行っていきたいと考えております。

〇倉林明子君 私は、政府としてこうした避難計画を義務付けたと、最低この周辺自治体に対しては再稼働の可否に関与できるような仕組みつくるべきだというふうに思います。
朝日新聞のアンケートにもありましたけれども、この地元については、関係自治体からも地元の同意が必要だという回答が八二%寄せられております。総理は地元の理解とおっしゃるんだけど、必要なのは地元の同意、国民の同意だと私は強調しておきたいと思うんです。
世論調査でも六〇%を超えて再稼働には反対だという声が上がっております。さらに、アメリカの原子力規制委員会のトップが三月十一日に日本でNHKのインタビューに応じておられますが、運転再開は世論の支持を得られなければ正当化できないと、本当にそのとおりだと思います。

〇委員長(大久保勉君) 時間が過ぎておりますので、おまとめください。

〇倉林明子君 この点も含めて再稼働、現時点できっぱり断念すべきだということを求めて、終わります。