倉林明子

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倉林議員が初質問 再稼働中止し汚染水問題に集中を(経済産業委員会 閉会中審査)

 日本共産党の倉林明子議員は10月7日の参院経済産業委員会の閉会中審査で、東京電力福島第1原発の汚染水問題での政府、東電の対応をただしました。先の参院選当選後、初の国会質問です。福島出身の倉林議員は、避難を余儀なくされた母子らの思いをぶつけながら、福島第1原発の職員が減らされている問題を取り上げ、放射能汚染水問題の解決に集中することを求めました。
 東電は再稼働を目指す柏崎刈羽原発の職員体制を維持する一方、福島第1原発の職員体制を1300人から1000人に削減しています。
 こうした事実を突きつけた倉林議員は、広瀬直己東電社長にたいし、「再稼働に向けた準備をやめ、東電をあげて汚染水対策に取り組むべきだ」と主張。また、「政府として再稼働中止の決断を」と迫りました。

議事録を読む
第184回国会 経済産業委員会  2013年10月7日
〇倉林明子君 まず、東電の社長に質問したいと思います。

 この汚染水問題の質疑に当たって、福島第一原発事故が一体どんな事故だったのかということを東電は絶対に忘れてはならないと思うんです。先ほどお話ありましたけれども、当時、逃げろとだけ言われて、放射能の汚染地域を幼い子ども連れて逃げ惑った母親、この苦悩は今も未来も続くものとなっております。さらに、原発さえなければということで命を絶った農民がおりました。ふるさとに戻れない避難生活を余儀なくされている人は十四万七千人とも言われております。あの福島沖は大変な宝の海ということで、その宝の海取り戻そうと必死の努力を続ける漁師がいらっしゃいます。
東電は、改めて、あの事故で一体どれだけの放射能を出したのか、海に一体どれだけの放射能を出して汚したのか、数値でお答えいただきたい。〇参考人(廣瀬直己君) お答え申し上げます。
事故による大気中への放射性物質の放出、まずはそちらの方でございますが、セシウムの134、137合わせて二万兆ベクレルと評価しております。現在は、毎時一千万ベクレルの追加的な放出があるものというふうに評価しております。
一方、海洋への放射性物質の放出ですけれども、事故直後のあの汚染水を漏らしたということなどによりまして、当初はセシウム、これも134と137合わせてでございますけれども、約七千百兆ベクレルが放出されたというふうに評価しております。その後、地下水の汚染などによりまして、これもまた評価の値でございますけど、最大で約二百億ベクレル、これは一日当たりでございますけれども、のセシウムが流出しているのではないかという評価を行っているところでございます。
以上でございます。〇倉林明子君 規制委員長に確認したいと思います。
原発事故で、これほどの、これほど海が汚染された例が過去にあるでしょうか。

〇政府参考人(田中俊一君) いわゆる普通の原子力発電所、原水爆実験とかそういうことを除きますと、こういった汚染は最大だと思っております。
ただ、先ほどもお答え申し上げましたけれども、当初は海の汚染もありましたけれども、だんだん落ち着いてきて、海洋、海水中の汚染はほとんど検出されなくなっておりますし、海洋生物への影響もだんだん、もうほぼなくなってきておりますので、これ以上こういった汚染が、環境への影響がないようにすることが私たちの務めであろうかというふうに思っております。

〇倉林明子君 おっしゃったように、世界最悪の海洋汚染だということが言えると思うんですね。
先ほど東電社長は、セシウム137、134合算での計算をされておりました。これ、原爆との比較をするため、広島原爆との量を比較するために、セシウム137だけで見てみますと、原発の港湾付近だけで三千六百テラベクレルと。さらに、原発機構の試算で、北太平洋海域に落ちたものということで試算がありまして、これ合わせて八千六百テラベクレルになるというような試算も出ております。これ比較してみますと、広島原爆のおおよそ百倍もの量の汚染がされたというレベルだということなんですね。確かに、規制委員長おっしゃるように、順々に海洋の汚染が軽減されつつあるとおっしゃるんだけれども、そこで起こっているのが今度の事故だということは極めて重大だと思っております。
そこで、あの魚も海も汚した原発事故から二年と七か月がたとうとしております。この汚染水漏れという事態が、必死の努力を続け、なりわいの再開に努力をしてきた漁師に対しては本当に泥水を浴びせるようなことになっていると私は思うんですね。菅官房長官が、汚染水は一切漏れてはならないということを表明されました。
そこで、大臣に伺いたいと思います。これ以上海を汚さないと、この決意はいかがでしょうか。

〇国務大臣(茂木敏充君) 先生、会津の御出身で、ならぬものはならぬと、こういうお気持ちだと思います。我々としても、海を汚さない、こういうつもりで万全の対策を取ってまいりたいと考えております。

〇倉林明子君 そこで、政府が一連の事故を受けまして、東電任せにするのではなくて、国が前面に出て必要な対策を実行していくと、基本方針が発表されまして既に一か月がたっております。依然としてタンクからの汚染水漏れで海が汚されていると、こういう事態が続くということに対して福島で本当に一層の怒りが広がっているということだと思うんです。政府の基本方針は、この福島の思いに対して本当にこたえるものになっているのかと、ここ、正面から問われている段階だと思うんです。
そこで、この中身なんですけれども、地下水バイパスからくみ上げた分、一旦ためて安全性を確認した後というお話ありましたが、この分も、さらにサブドレーンからくみ上げた一部も、さらにはALPSで多核種除去した後、このトリチウム水についても海に流すということがこれ前提となった計画じゃないかと思うんですね。
経産省にお聞きしたいんですけれども、扱い方は検討していきたい、トリチウム水については扱い方を検討していきたいとお話がありました。しかし、結局基準値以下なら海に流せばよいという考えなんでしょうか。ここははっきり確認させていただきたい。

〇政府参考人(糟谷敏秀君) 地下水バイパス、それからサブドレーンでくみ上げた水、それからALPSで処理した後の水、それぞれについてお答え申し上げます。
まず、地下水バイパスでございます。これは、地下水を建屋に近づけないための抑制策として有効な方策の一つというふうに考えております。現在、稼働に向けて漁協等の地元の関係者の方々への御説明を行っているところでございますけれども、地下水バイパスでくみ上げた水、これは一時貯水タンクに蓄えまして、水質の安全性を確認した上で安全なものについて海に放出するということを考え、御説明を申し上げております。当然、放出するに当たりましては、貯水タンクや水質の管理体制を強化した上で、地元福島の漁協の皆様を始め関係者の方々への御説明を丁寧に行いながら、また関係省庁の了解も得て進めることとしております。
それから、次にサブドレーンによってくみ上げた水でありますが、これも基準値以下のものになるように処理をするということが前提であります。若しくは基準値以下のものであることを確認するということが前提であります。これについてどうするかということについては、汚染水処理対策委員会の専門家の知見も活用して検討をしておるところでございます。
それから、トリチウム水の対策であります。
トリチウム水、これは多核種除去設備で処理をいたしましてもトリチウムだけが残るわけであります。現時点でこのトリチウム水を大量に処理できる技術は見付かっておりませんけれども、国際廃炉研究開発機構、IRIDを通じて、内外の英知を結集すべく技術提案を求めているところでございます。この中で、トリチウムの分離技術ですとかトリチウムの長期安定的貯蔵方法等についても幅広く提案を募集をしております。
いずれにしましても、これら汚染水対策については、多核種除去設備による汚染放射性物質の処理だけではなくて、山側からの地下水の流入の抑止による潜在的な汚染水の量を減らすということですとか、海側における水ガラスによる地盤改良や遮水壁の設置、こういったことを始めとする多角的な対策を講じているところでございます。また、溶接型の貯水タンクも増設をし、今のボルト締め型のタンクを全て溶接型のタンクにリプレースをするということを決めておるところでございます。
こういった対策を講じまして、また、これ以外にも、現在、予防的、重層的対策というのをいろいろ検討しております。こういうことを通じて、汚染水の安易な海への放出は行わないということにしておるところでございます。

〇倉林明子君 答弁はできるだけ簡潔にお願いできたら有り難いと思います。
結局、今のお話を伺っても、流さないということではないということじゃないでしょうか。まして、福島では地下水バイパスの水を流すということについても現在では理解を得られるめども全く立っていないというのが現状ではないかと思うんですね。
問題は、私、質問させていただいたように、放射能を含んだ水をこれ以上海に流さないと、この原則をきっちり確立することが大事なんじゃないかという指摘なんですけれども、その点は改めて後から答弁をいただきたいと思います。
で、ここがやっぱり、東電のずさん極まると指摘が繰り返されている対応にも、やっぱり根本ここがあるんじゃないかと、安易に水は流さないと言うけれども、安易にいずれ海に流せばよいという考えが根っこにあると、こう言わざるを得ないと思うんですね。
これまでの、海に流せばよいと、基準以下ならという考え方についてはきっぱり縁を切って、汚染水の海洋放出については、放射能についてはもう海には出さないんだと、こういう姿勢で臨むべきだし、福島にその姿勢をきちんと約束として示すべきではないかと思いますが、いかがでしょう。

〇国務大臣(茂木敏充君) 先生、是非御理解いただきたいのは、答弁は簡潔にとおっしゃると、その一方で説明が不足していると。大変難しいんですね。ちゃんと説明をさせていただかないと、なかなか専門的な問題でありますから。
まず、汚染されていない水についてどうするかという問題があるわけであります。それについては、先ほど糟谷審議官が申し上げたような形で、今、地元の漁協を始め関係者の皆さん、あの放出について御理解を得るような措置をとっております。
そして、汚染をされている水、これにつきましては、放射能、これを除去しなきゃなりません。しかし、ALPSを使っても、より高性能な放射性除去設備を使っても、六十二核種までは取れますが、トリチウムそのものは取れないということでありまして、それにつきまして、取れないものかということで今技術的な知見も集めていると。取れる方法がないかと、若しくはより安全に保管する方法はないかと、こういったことについて検討を進めると。
そして、この汚染水の問題というのは、単に今汚染しているこの水をどうするかということではなくて、阿武隈山系からあの敷地に流れてくる毎日八百トン、そして建屋近くでも四百トンの水、これを減らすことによってその汚染水そのものを減らすことができるわけでありますから、その対策も取っていく。さらには、海側におきまして、地盤改良を水ガラスによって進め、さらには、待ってください、説明しないと説明不足と言われますから。さらには、海側の遮水壁を造る、こういった方法を取ることによって安易な放出をしないということを進めていきたいと思っております。

〇倉林明子君 今、東電は、汚染水問題、本当に解決できないという渦中にありながら、再稼働に向けて今動いています。汚染水対策に集中しろという声が出るのは当然だと思います。規制委員会の委員からも、東電には放射性物質を扱うノウハウがあるとは到底思えないという批判の声も上がっております。
そこで、東電の職員体制を確認したいと思います。現在、福島第一原発の職員数、事故対応時は二〇一一年七月が最高で千三百人体制でしたが、現在何人か。そして、柏崎刈羽は同じく現在何人になっているか。

〇参考人(廣瀬直己君) 今先生の御指摘、社員の数ということだと思います。
八月現在、福島第一原子力発電所の社員は約千名でございまして、柏崎刈羽の方は千二百名でございます。

〇倉林明子君 これを見ますと、東電は当時から見て三百人職員体制が減っております。協力企業を入れても最高時から千七百人減らした体制で今対応しているということです。一方、柏崎刈羽の方は、職員体制は事故前から一貫して千二百人体制を維持しているというのが状況ですね。事実に誤認があれば答弁でお答えください。
規制庁の長官も、柏崎刈羽原発など他の発電所から人員を回してでも事故対応を適切に実施するように対策の提出を求めたということがありました。
これからだと、計画はこれからだということですけれども、当然この柏崎刈羽からも総動員をして対策に当たると、こういう理解でよろしいでしょうか。

〇参考人(廣瀬直己君) 先ほどのお答え、少し舌足らずなところがございましたので、先生、二〇一一年七月時点で千三百名社員がいたということで、それとの比較で減っているというふうにおっしゃっているんだと思いますけれども、私ども、社員、会社の中の組織を少しいじっております。
といいますのは、海外の知見を参考にするであるとか、あるいは汚染水対策の関係で仕事があるということで、東京の本店の方にも汚染水の部門を対策している人間がおります。それが約百五十名おります。今までおらなかった分でございます。それから、また、私が本部長を務めております汚染水・タンク対策本部というのが八月の終わりにできたわけですけれども、そこに百二十名の人間を今強化しておりまして、合計すると千三百人ぐらいで、特にいわゆる対応している人間というのは変わっておりません。

〇倉林明子君 結局、柏崎刈羽からは一人も動かさないということですか。今の説明、全然分からないんですけど。

〇参考人(廣瀬直己君) 今のお答えは、済みません、福島の対応だけで終わってしまいまして申し訳ございません。
柏崎の方につきましても、あるいは福島第二につきましても、東京電力の全リソースを挙げて福島第一の廃止措置、汚染水、特に汚染水問題について対応していくということで、全社のリソースをここに集中すべく今取り組んでいるところでございます。

〇倉林明子君 その際、柏崎刈羽の再稼働の準備作業が始まっているわけですけれども、これはきっぱりやめて福島に総動員するということですか。

〇参考人(廣瀬直己君) もちろん、柏崎刈羽にも原子力の安全性確保するために必要な人間というのは当然置いてございますので、そうした者は引き続き置かせていただこうと思っております。
また、再稼働について、今まだ準備を何かしているということではございません。

〇倉林明子君 結局、今は入れていないとおっしゃるけれども、再稼働の準備、再稼働を進めようとすれば、今後間違いなく人手も資金もつぎ込むことになるのははっきりしていると思うんですよ。その上で、やっぱり再稼働の準備、再稼働に向けた動きということは断念して、まずは最優先で汚染水漏れに取り組むと、東電を挙げて取り組むという姿勢は示されるべきだと思いますし、その点に関して、大臣も政府として、この再稼働に対してはきっぱり中止という決断を求めるべきではないかと思います。いかがでしょう。

〇国務大臣(茂木敏充君) 先日、廣瀬社長の方から柏崎の安全審査の申請を行ったと報告を受けた際に、私としてこの審査に適切に対応するとともに、ただ単に審査をクリアするだけではなくて事業者自ら常に安全性を高める、こういう努力を続けることが必要だと。二点目として、立地自治体を始め地元関係者の理解を得る努力を続けることが必要だと。そして、一番大切なことは最優先課題である福島第一の事故処理、そして廃炉・汚染水対策がゆめゆめおろそかにならないように、このことを強く社長の方には要請をしたところであります。
それで、数字でありますけれども、事故が起きた平成二十三年三月の時点では、福島第一原発と柏崎刈羽、要員、東電及び協力会社を比べますと、平成二十三年の三月時点は福島が三千四百人、合計で。それに対して柏崎刈羽六千七百人。現状は、福島第一が六千人、そして柏崎刈羽が五千百人と、大勢からいえば、福島第一の方に大きくシフトをしていると考えております。

〇委員長(増子輝彦君) 時間が参りました、倉林明子さん。

〇倉林明子君 答弁で正確にきっちりしていただきたいと思うんですけれども、協力企業もひっくるめて今の数字ではなかったのかということを指摘して、職員と柏崎刈羽との関係では数字に間違いがないと思います。
いずれにしましても、今最優先で取り組むべきは汚染水対策だと、このことに集中して取組を求めて、終わります。